文献詳細
今月の主題 内科医のための癌治療のオリエンテーション
癌発生と転移のメカニズム
文献概要
●癌に対する免疫監視説の確立とそれに至るまでの小史 癌患者の,きわめて稀であるがその自然治癒例や緩解例の観察などから,癌に対する自然抵抗性つまり免疫機構の介在が直観的に洞察されてきた.そしてある程度の理論的整備がなされたのは今世紀初頭の1906年,P.Ehrlichによって提唱された"Natural Immunity to Cancer"であろう.これは体内に発生する突然変異細胞の排除のメカニズムとして免疫系にその主たる役割を求める理論であった.
その後1943年,Grossによりマウスを使用したin vivoの実験系で腫瘍免疫の誘導が可能であることが示されたが,この実験ではマウスの純系としての信頼性に欠け,同種移植拒絶反応を観察している可能性が指摘された.
その後1943年,Grossによりマウスを使用したin vivoの実験系で腫瘍免疫の誘導が可能であることが示されたが,この実験ではマウスの純系としての信頼性に欠け,同種移植拒絶反応を観察している可能性が指摘された.
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