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文献詳細

雑誌文献

medicina26巻2号

1989年02月発行

文献概要

今月の主題 内科医のための癌治療のオリエンテーション 固形癌の治療

胸部食道癌

著者: 掛川暉夫1 山名秀明1 藤田博正1 白水玄山1

所属機関: 1久留米大学医学部・第1外科

ページ範囲:P.235 - P.237

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 食道癌の治療としては,外科的切除が第一選択であるが,その成績は他の消化管癌と比べると必ずしも満足できるものではない.その理由として,早期食道癌の診断は通常の消化管造影では描出不可能で,現在取り扱っている症例の大半が進行癌であることと,食道癌の特性として,生物学的悪性度が極めて高く,たとえ根治手術がなされても術後早期に再発死亡する例がみられることなどが挙げられる.そこで,今日ではより広範囲の切除郭清と種々の合併療法を組み合わせた集学的治療が行われるようになってきた.このような過大侵襲にもかかわらず,最近では手術直接死亡率は5%前後にまで低下し,術後5年生存率も20年前と比べて約2倍にまで向上してきている.
 以上のことから,本稿では今日における胸部食道癌の標準的治療として,外科手術を中心に述べてみる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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