icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina26巻2号

1989年02月発行

文献概要

講座 図解病態のしくみ 循環器疾患・12

非リウマチ性僧帽弁膜症

著者: 石光敏行1

所属機関: 1筑波大学臨床医学系・内科

ページ範囲:P.330 - P.335

文献購入ページに移動
概念
 僧帽弁狭窄の原因がほぼすべてリウマチ性であるのに対して,僧帽弁閉鎖不全は種々の成因で生じることが知られている.しかしながら,僧帽弁閉鎖不全がCorvisartにより初めて臨床的に診断されてから,長年のあいだ本症の病因はすべてリウマチ熱と考えられていた.1960年代に入ると,抗生物質の使用により,リウマチ熱の発生は減少し,その結果リウマチ性弁膜症の発生も激減した.このような疫学的な変化を反映して,Burchによる乳頭筋不全症候群(1963)1),Barlowによる僧帽弁逸脱症候群(1963)2)などのリウマチ以外で生ずる僧帽弁閉鎖不全が注目され出し,ここに非リウマチ性僧帽弁閉鎖不全という概念が誕生した.
 非リウマチ性僧帽弁閉鎖不全の原因となる疾患を表に示す.表のごとく,非リウマチ性僧帽弁閉鎖不全の原因疾患は,比較的まれなものが多く,またリウマチ性僧帽弁閉鎖不全が,その特徴的な聴診,心エコー図所見より容易に診断可能であるため,他のものを一括して非リウマチ性僧帽弁閉鎖不全と総称している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら