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文献詳細

雑誌文献

medicina26巻2号

1989年02月発行

文献概要

講座 肺癌診療・9

肺癌の治療の現況(2)小細胞癌の治療

著者: 国頭英夫1 江口研二2

所属機関: 1東京大学医学部・第4内科 2国立がんセンター・内科

ページ範囲:P.336 - P.345

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概観
 小細胞癌は全肺癌の15〜20%を占めるにすぎないが,①早期にリンパ行性・血行性転移をきたすこと,②抗癌剤・放射線療法に感受性が高いこと,という生物学的な特徴をもっている.1960年代までは小細胞癌は肺癌の中でもとくに悪性度が高く,早期に遠隔転移をきたして死亡する(median survival time;MSTは無治療例ではlimited diseaseで14週,extensive diseaseで7週1),stagingについては後述)ものとして恐れられていた.手術をしても延命には寄与せず,一見切除可能と思われるclinical stage I-II(TNM分類については本シリーズNo. 4,1988年8月号の福田らの総説を参照)の症例でも5年生存率は1割にも満たない2)という惨憺たるものであった.
 1960年代より放射線療法が導入され,1973年には手術療法と放射線療法との無作為対照比較試験(randomized controlled study,RCS)にて後者のほうが優れているとの結果が出された3).さらに全身療法として,cyclophosphamide(CPA)の使用成績4)から,有効な多剤併用レジメンが次々と開発され,治療の主力は次第に化学療法・放射線療法へと移っていった5,6)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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