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雑誌目次

雑誌文献

medicina26巻3号

1989年03月発行

雑誌目次

今月の主題 高脂血症と動脈硬化 Editorial

動脈硬化の成因における高脂血症の役割

著者: 大内尉義

ページ範囲:P.374 - P.376

 糖尿病,高血圧など多くの成人病の予後を決定するのは結局のところ動脈硬化をはじめとする血管障害である.この意味で,血管障害,特に,臨床的に最も問題となる粥状硬化(Atherosclerosis)の成因を解明し,その治療あるいは予防法を開発することは,現代の医学にとって大きな課題の一つである.
 動脈の粥状硬化症(以下,動脈硬化)の成因にコレステロールなど脂質が関係していることは古くから知られており,実際,実験的にも高コレステロール食の投与により著明な動脈硬化病変を動物に作ることができるし,またFramingham Study1)あるいは最近のMultiple Risk Factor Interventional Trial(MRFIT)2)を始めとする多くの疫学的研究でも,血中コレステロール濃度の高いほど冠動脈疾患による死亡率の高いことが示されている.しかし,高脂血症がどのような機序で動脈硬化の発症,進展を促すのかという問題については,このような疫学的研究からは明らかにしえず,近年の細胞生物学,分子生物学など新しい手法の導入を待たなければならなかった.本稿では動脈硬化の発症・進展における脂質の役割がどのように解明されてきたか最近の進歩について述べる.

高脂血症と動脈硬化の基礎

血漿リポ蛋白質とその代謝

著者: 松島照彦 ,   寺本民生

ページ範囲:P.377 - P.381

●脂質代謝の概要
 脂質の生体における機能として,中性脂肪と遊離脂肪酸はエネルギーの蓄積と放出,コレステロールとリン脂質は細胞膜の構築と胆汁成分の構成,および,ステロイド系,プロスタグランディン系物質の前駆体となる役割を持っている.しかし,これら脂質の産生については,各組織にもある程度の合成能はあるものの,もっぱら,腸管から吸収された食事性脂質に由来するか,または,内因性には肝臓において生合成され,各末梢組織には血流(またはリンパ流)に乗って運ばれることになる.運搬や蓄積に際しては化学的により安定な中性脂肪,コレステロールエステルの形をとるが,これらは水に不溶性のため,血流中では周囲を界面活性のある分子に被われて分散したミセルである「リポ蛋白」の形をとって存在し代謝される.このリポ蛋白表層部を構成する界面活性物質は,リン脂質,遊離のコレステロール,および,両親媒性を持つアポ蛋白である(図1).
 リポ蛋白は特異的ないくつかの酵素と受容体によって代謝されるが,リポ蛋白自体,固有の構成を持つ数種の分画として存在し,しかも,個々が複合粒子であるため,各分画の各構成成分がそれぞれ目的の場所で代謝されるように調節されなければならない.その代謝を効率よく制御しているのがリポ蛋白表層部に存在する数種のアポ蛋白である.

高脂血症の分子生物学

著者: 松本明世 ,   長縄聡 ,   板倉弘重

ページ範囲:P.382 - P.383

 高脂血症は,コレステロール(TC)や中性脂肪(TG)など血清脂質と蛋白との複合体であるリポ蛋白の合成と異化速度の異常により起こる病態で,栄養,運動,ストレスあるいは他の代謝疾患の合併など環境因子,および遺伝因子とにより発症する.遺伝因子として,低密度リポ蛋白(LDL)受容体,リポ蛋白代謝関連酵素およびアポリポ蛋白(アポ蛋白)などの先天的異常や欠損が知られている.そして,これら蛋白の異常や欠損は,遺伝子DNA上の欠失,挿入および置換などの変異に起因していることが明らかにされてきた.これらの研究は遺伝子操作やモノクローナル抗体などバイオテクノロジーの導入により急速に進展し,数多くの貴重な成果が得られている1),これらの中で,1985年のBrownとGoldstein博士らのLDL受容体の研究成果に対しノーベル賞が贈られたことは未だ記憶に新しいことであり,LDL受容体の異常による家族性高脂血症にっいて分子遺伝学的解析が進んでいる2)
 リポ蛋白の蛋白成分であるアポ蛋白はリポ蛋白粒子の構造維持をはじめ,脂質の転送,レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)や,リポ蛋白リパーゼ(LPL)などリポ蛋白代謝酵素の活性調節因子,LDL受容体などリポ蛋白受容体の特異的リガンドなどとして代謝調節に重要な機能を有している.したがって,アポ蛋白に異常があるとリポ蛋白の合成や異化が障害され低脂血症や高脂血症を呈することになる.

脂質代謝と血小板,凝固線溶系

著者: 横内正利

ページ範囲:P.384 - P.386

 脂質代謝異常,特に高コレステロール血症(高LDL血症)は動脈硬化(粥状硬化)の危険因子として重要であるばかりでなく,直接全身的な凝固亢進状態を作り出している可能性がある1,2).そこで脂質代謝異常の血小板や凝固線溶系への影響についての最近の動きについて概説する.

薬剤による脂質代謝の障害

著者: 今鷹耕二

ページ範囲:P.388 - P.389

 日常臨床で用いられる薬剤の中には脂質代謝障害,すなわち高コレステロール血症や高中性脂肪血症などをきたすものがある.その代表がステロイド剤であり,また三環系抑うつ剤やフェノチアジン系薬剤に代表される向精神薬である.降圧剤の一部にもわずかに脂質代謝に影響するものがある.本剤は多数の患者に長期間投与される点で臨床家の関心は大きく,その真の影響については十分検討されるべきであろう.このほか経口避妊薬での脂質代謝障害も知られており,本稿ではこれらの各種薬剤との関連について述べる.なお,これらに関する従来の総説1〜3)も参照されたい.

動脈硬化の発症機序

著者: 大谷秀夫 ,   北徹

ページ範囲:P.390 - P.393

●動脈硬化の発症機序
 生活様式の欧米化により,増加の一途をたどっている虚血性心疾患,および依然死亡率の上位を占めている脳血管障害の原因である動脈硬化が,最近改めて注目されている.
 従来,疫学的調査から,高血圧,喫煙,肥満などが,いわゆる危険因子として動脈硬化の原因として考えられてきたが,最近の分子生物学および遺伝子工学の発達により,その発症機序が,分子レベルで明らかになってくるとともに,発症機序に応じた治療法が開発されてきたのである.すなわち,粥状動脈硬化の病理学的特徴である泡沫細胞が,血中の単球由来のマクロファージが活性化されて,内皮下で動脈硬化惹起性リポ蛋白を大量に蓄積したものであることが証明され,さらに,そのリポ蛋白蓄積機構についても次第に知見が蓄えられてきており,これらの原因についての研究はそのまま,治療についても応用されるようになってきているのである.

動脈硬化の臓器特異性

著者: 上田清悟 ,   蔵本築

ページ範囲:P.394 - P.397

 血管の動脈硬化の大きな危険因子として,高血圧と高脂血症が明らかにされている.一方,動脈硬化は,加齢とともに進展し,今日の老齢化社会では心血管,神経の重要な疾病誘因となっている.なかでも,本邦では脳動脈硬化が多く,欧米では虚血性心疾患が多いことから,同一の危険因子のもとでも,地域差や食事・習慣で大きく左右される可能性がある.以下,各危険因子について,今日明らかにされている動脈硬化の臓器特異性について述べる.

動脈硬化の退縮

著者: 金秀樹 ,   中井継彦

ページ範囲:P.398 - P.400

 動脈硬化病変はある一定以上に進展しないと臨床症状を引き起こさないことから,その治療は明らかな血流障害をきたす前から行われるべきである.とりわけ病理学的に初期の段階,すなわちfatty streak(脂肪斑),gelatinous lesion(ゼラチン様病変)それにmicrothrombi(微小血栓)などでは,強力な治療によりその退縮の可能性が高いとされている.ただし実際臨床上はある程度進展した例に対し治療が開始されるのが普通であり,ヒトでの動脈硬化病変退縮例の報告は稀である.しかし,近年高脂血症や高血圧などの動脈硬化症危険因子に対する治療法の進歩は著しく,それらによる動脈硬化退縮が現実のものとして期待されている.

高脂血症の診断

高脂血症の分類と臨床的特徴

著者: 後藤田貴也 ,   山田信博

ページ範囲:P.402 - P.405

 高脂血症(hyperlipidemia)とは「血漿(血清)中の脂質—コレステロール,トリグリセリド,リン脂質,遊離脂肪酸(臨床上は前二者)—のうちの少なくとも一つが正常範囲を超えた病態の総称」と定義される.よって,高脂血症は元来病態面から分類されてきたが,各病態を引き起こすいくつかの病因が解明されるにつれ病因面からの分類も試みられている.そこで,これらの分類と併せて各疾患の臨床的特徴を把握しておくことは,高脂血症の診断と治療の上で重要であるので以下にまとめてみたい.

二次性高脂血症

著者: 竹村芳 ,   松沢佑次

ページ範囲:P.406 - P.408

 高脂血症とは脂質(主としてコレステロール(以下Ch)とトリグリセライド(以下TG)の血中レベルが正常以上に高値を示す病態を指す.高脂血症を起こしうる後天的な因子は多数知られているが,それらの多くにおいて高脂血症発生の機序の明確な説明はなされていない.この中には高脂血症そのものが主症状になっているものもあるが,多くは高脂血症が必発ではなく,二次性とはいっても,やはり先天性の素因が関与すると考えられる.高脂血症をきたしうる疾患および薬物について1,2),出現頻度の多い表現型と,考えられる機序を表にまとめ,その主なものについて説明を加える.

高脂血症—診断の手順とデータの読み方

著者: 白井厚治 ,   齋藤康

ページ範囲:P.410 - P.414

 高脂血症の診断は,まず,いかなるリポ蛋白が増加しているかについての型診断と,その成因が考慮された症患単位としての診断とがある.しかし,必ずしもそれぞれの成因が明確にされていないことから型診断に終わらざる場合も多く,通常は一次性高脂血症として扱われる.しかし近年,いくつかの病因が明らかにされつつあり,本来の成因とむすびついた疾患単位の診断に至る例も増加している.いずれにしても,診断は増加しているリポ蛋白を明らかにすることからはじまるので,本章では,①型診断のすすめ方について,日常広く測定されている中性脂肪とコレステロール値からの診断法,およびリポ蛋白分画などの特異的検査法による診断について述べ,次に,②成因とむすびついた確定診断のすすめ方,および,③鑑別診断については,二次性高脂血症をもたらす種々因子,およびそれが有する血清コレステロール値を上昇させる力価についても述べ,高脂血症の診断の一助としたい.

小児の高脂血症

著者: 村田光範

ページ範囲:P.416 - P.418

 最近,小児の高脂血症が問題になるのは,それが小児期の動脈硬化危険因子として注目されてきているからである.そこで,ここではこの観点からの小児の高脂血症の診断基準を中心に述べることにする.

老年者の高脂血症

著者: 内藤通孝 ,   葛谷文男

ページ範囲:P.419 - P.421

 血清脂質の加齢による変動は老化の問題と関連して種々の検討がなされてきた.しかし,脂質代謝が老年者の疾病や死因,とくに動脈硬化性疾患にどの程度関与しているかはまだ十分に解明されていない.血清脂質の加齢による変化は一様でなく,老年者では若年者に比して個人差が大きいのも特徴の一つである.また,年齢のみならず,性および食習慣など文化の相違によっても異なる.一生を通じて痩身の未開人においては血清脂質に加齢変化は認められないという報告もあるが,本稿では我が国あるいは欧米の状況のみを解説する.

動脈硬化の診断

身体所見,単純X線写真,眼底所見

著者: 石川雄一 ,   福崎恒

ページ範囲:P.422 - P.425

 動脈硬化を基盤として発症する疾患は,その支配動脈が灌流する臓器の違いにより多様な症状を生じるため,詳細な問診を行う必要がある.動脈硬化症は無症状のうちに進行していることも多く,身体所見をとるためには動脈の系統解剖,動脈硬化症の病態生理,高脂血症に関する基礎知識をもとに,日常のルーチン検査としてすべての患者に行う必要がある.このことは高齢患者が増加する現在,特に重要である.この身体的検査をもとにさらに高度な検査の必要性を判断していく必要がある.

血管造影・Digital Subtraction Angiography

著者: 石村孝夫

ページ範囲:P.426 - P.429

 高脂血症の最大の合併症,あるいは終末像が冠動脈硬化症(CAD)である以上,冠動脈造影は本症の診断には欠かせない重要な検査である.すなわち高脂血症患者をみたとき,すでにCADがあるか,近い将来心筋梗塞を起こす危険性があるか診断する必要に迫られるが,冠動脈狭窄病変の有無を冠動脈造影以外の非観血的検査法,たとえば運動負荷心電図や心筋シンチなどでは完全には把握できない1)以上,確定診断のためには冠動脈造影を行うこととなる.冠動脈造影の適応を論じるには,まず高脂血症におけるCADの合併頻度について知る必要がある.

血管内視鏡—冠動脈を中心に

著者: 水野杏一 ,   里村公生 ,   中村治雄

ページ範囲:P.430 - P.432

 血管病変は主に血管造影法により診断がなされている.しかしこの方法で得られる画像はあくまでも造影剤による影であり,動脈壁の性状や,狭窄,閉塞の形態についての情報を直接得られるわけではない.病変の正確な把握は治療法の適応や評価などに大切であり,より直接的所見が得られる検査法の開発が望まれてきた.
 近年,内視鏡の進歩,特に細径化に伴い,血管内視鏡も実施されるようになり,先ず血管外科領域で腸骨動脈領域における閉塞性動脈硬化症などへ,臨床応用が試みられるようになった1)

螢光スペクトルによる診断—光感受性物質とレーザーによる動脈硬化の検出

著者: 奥仲哲弥 ,   会沢勝夫 ,   小中千守 ,   加藤治文 ,   早田義博

ページ範囲:P.434 - P.435

●光線力学的診断治療法
 腫瘍親和性光感受性物質であるヘマトポルフィリン誘導体(HpD)は,光照射によって励起状態となり,これが基底状態に戻る際に螢光を発すると同時に,組織内の酵素を励起し,活性酸素を生ずる.この螢光スペクトルを測定することにより,腫瘍の局在を把握することができ,また活性酸素によって癌組織を変性壊死に陥らせる1).一般に励起光源には,その単色性,高輝度性,可干渉性という点からレーザー光を用いる.筆者らの施設では1980年1月以来,肺癌を中心に300を超える症例に対し,この光線力学的診断治療法(PDT)を施行し,1986年には世界で初めて,PDT単独治療による早期肺癌患者の5年生存例を経験している2).その一方で,非腫瘍性病変に対するHpDの親和性に関しては,ほとんど報告がない3〜5).筆者らは非腫瘍性病変に対するHpDの適応として,粥状硬化に着目し,近年開発した血管内視鏡螢光分光装置を用いて,粥状硬化に対するHpDの集積性を検討した.

高脂血症の治療

治療総論—生活指導,食事療法,薬物療法の開始,選択基準

著者: 秦葭哉

ページ範囲:P.436 - P.440

●高脂血症の治療方針
 高脂血症の治療は,肥満や糖尿病,高尿酸血症のような代謝疾患ならびに高血圧,狭心症,心筋梗塞,一過性脳虚血発作,脳梗塞などの動脈硬化性疾患の治療と同様に,薬物療法だけが治療ではなくて,生活の注意,食事療法がまず実施されなければならない.また,かりに薬物療法が開始されても,その基礎療法としてこれらの療法が常時平行実施されていなければならない.現在のところ,ある薬物療法を受けていれば,生活は思い通りにし,食事は食べ放題にできるというような薬剤は存在せず,どんなに効力のある薬物も,生活の注意や食事療法なしには実効が上がらない.
 したがって,高脂血症の治療は,生活指導,食事療法,薬物療法,場合によっては特殊療法が,時間的には順次上乗せ的に,断面的には重層的に実施されていなければならない.しかし,高脂血症に限らず,疾患の治療論は,方法別に列記されていて,どの方法を,いつから,どのように適用していくかについての全体像は,個人的経験を通じての習得にゆだねられているのが実状といえよう.実際に治療の勘やコツは,個人的経験の積み重ねによらなければ,得ることのできないものという面も存在するが,それだけでは疾患の治療論は,いつまでも個人的経験の域を出ず,学問的領域として独立しえず,進歩もおぼつかない.

食事療法と生活指導

著者: 板倉弘重 ,   伊藤洋

ページ範囲:P.442 - P.443

 高脂血症と動脈硬化の原因に食事が大きな係わりをもっていることはこれまでの疫学的研究,動物実験などからも示されている.食事療法を中心とする生活指導は高脂血症治療にとって必須のことであるが,実際には外来診療時間の制約や栄養士との連携のまずさなどから,不十分な場合が多いのではないかと思われる.高脂血症の病態と合併症の有無,生活様式などによってその方法は決められるべきであるが,小児高脂血症においては,特に生活指導が重要な要素を占めているが発育を考慮した広い視野からの対応が必要となる.高脂血症の食事療法というと,動物性脂肪の制限など,ある食品の摂取の制限が強調されて栄養のアンバランスを引き起こさないようにしなければならない.このことは小児とともに高齢者にも当てはまることである.カルシウムなどのミネラル,脂溶性ビタミン,蛋白質などが犠牲とならないように配慮する.

高脂血症薬の実際的な使い方

著者: 石橋俊

ページ範囲:P.444 - P.446

●薬物療法の適応
 高脂血症治療の目標は動脈硬化の予防にある.薬物療法の適応を考えるにあたっても,単純に血清脂質値を低く抑えこめばれいいという次元の問題ではないことを念頭においておく必要がある.
 以下に述べる高脂血症の薬物治療は,その高脂血症が原発性であることの診断が正確になされ,高血圧や喫煙といった他の危険因子に対しても十分な配慮がなされており,さらに,適切な食事療法の指導とそのフィードバックが継続されているような診療場面において初めて検討されるべきである.

LDLアフェレーシス—適応と治療効果

著者: 横山信治

ページ範囲:P.448 - P.450

 アフェレーシス(apheresis)とは,一般に体外循環装置を用いて血液中の成分を取り出す技術を指すと考えてよい.例えば血漿を取り出す場合には,プラスマフェレーシス,血球(特定の細胞)を取り出す技術はサイトアフェレーシスなどと呼ばれる.したがって,LDLを体外循環によって取り除く方法をLDLアフェレーシスと呼ぶ.本来これはLDLを選択的に除去することを意味するが,LDLのみを厳密に選択的に除くことは不可能であり,結局LDLを除去することを目的とした体外循環治療全体を指すと定義したほうがよいであろう.
 元来この技術は,薬剤に反応せず,かつ致死的な高LDL血症を呈する家族性高コレステロール血症(FH)のホモ接合体の患者の治療法として実用化されてきた.最初は連続遠心器を用いた血漿交換法によって行われた1).その後,比較的短時間のうちにヘパリンセファロース2)や抗LDL抗体セファロース3)を用いたLDLの選択的除去法が開発され,FHホモ接合体患者の実験的治療が行われてきた.1980年代にはこれらを基礎に種々な技術の実用化がはかられ,特に日本の体外循環の技術がこれに大きく貢献することとなった.これは,まず中空糸膜フィルター血漿血球分離器の利用の一般化であり,さらにLDLの選択的除去のための二次濾過膜の応用4),およびデキストラン硫酸セルロースによる選択的吸着装置の開発5)であった.

動脈硬化性疾患の治療

一過性脳虚血発作

著者: 飯島節 ,   伊藤邦彦

ページ範囲:P.452 - P.453

 脳卒中はいったん発症すると非可逆性の神経脱落症状を残す.したがって,脳卒中の対策としては発作の予防こそ最も重要である.そのために,高血圧症をはじめとするいわゆる危険因子に対する対策が講じられ,すでに一定の成果が得られている.一方,こうした長期的な対策と並んで,差し迫った脳卒中発作を予知し,その原因を治療することで発作を未然に防ぐ努力も大切である.本稿ではこうした短期的な脳卒中対策として,一過性脳虚血発作(TIA)の治療について述べる.

閉塞性動脈硬化症

著者: 多田祐輔

ページ範囲:P.454 - P.456

●外科的治療
 1)外科的治療の概略
 ①血行再建術
 バイパス術と血栓内膜摘除術とがあり,バイパス術には解剖学的バイパスと非解剖学的バイパスとがある.解剖学的バイパスとは閉塞動脈の近傍をバイパス経路として選択する方法であり,非解剖学的バイパスはこれと異なる経路を使用する術式で,通常皮下経路が選択される.大動脈腸骨動脈閉塞症に対する腋窩大腿動脈バイパス,大腿-大腿動脈バイパスがこれに相当する.血栓内膜摘除術はパッチを縫着するPatch angioplastyと,直接縫合閉鎖する場合とがある.現在ではバイパス術が主として行われ,血栓内膜摘除はごく限局病変に限られる.そのほかに,非観血的血行再建方法として,限局した狭窄性病変に対してレントゲン透視下にバルーンカテーテルを用いて拡張させるPTAがあるが,再発頻度は高い.

腸管アンギーナ・虚血性腸炎

著者: 許俊鋭 ,   朝野晴彦

ページ範囲:P.458 - P.460

 腸管アンギーナ(虚血性腸炎)は慢性に,あるいは急性に内臓動脈枝(visceral artery)に閉塞が生じることにより発生する.この領域の研究は1869年のChiene1)の剖検例における腹腔動脈(Celiacaxis),および上腸間膜動脈(Superior mesenteric artery=SMA)閉塞の観察が最初であるが,いわゆる慢性の腸管アンギーナが内臓動脈枝の閉塞により生じた腸管虚血に基づく2)ものか否かに関しては,1936年のDumphy3)の臨床的証明を得るまで議論が続いた.1957年Mikkelsen4)はかかる虚血性腸炎の外科的治療の重要性を示唆し,同年Shaw & Matnardは実際にSMA閉塞の外科的解除に成功している.動脈硬化以外に慢性の腸管アンギーナの原因としてdiaphragmatic cruraのbandの圧迫が原因となるceliac artery(CA)compression syndromeもある.
 SMAの急性閉塞に関しては1895年にElliottが最初に腸管切除を報告している.また1950年Klass5)はSMAの急性閉塞に対し血栓除去を行い,これが急性閉塞に対する血行再建の最初の試みであった.1960年代〜1970年にかけてかかる急性閉塞の原因・病態は徐々に明らかにされてきたが,早期発見が困難なことよりなおきわめて高い死亡率が報告され,今日的課題となっている.

腎動脈硬化症

著者: 山門実

ページ範囲:P.462 - P.464

 腎動脈硬化症は,その粥状硬化の病変の場により,
 1)腎血管性高血圧
 2)動脈性腎硬化症
 を発現する.
 すなわち,粥状硬化の主病変が腎主幹動脈である場合には腎血管性高血圧の原因となる.また,粥状硬化が弓状動脈にまで及び,腎実質が虚血性萎縮を生じると動脈性腎硬化症となる.

座談会

高脂血症と動脈硬化

著者: 斎藤康 ,   堀内正公 ,   山田信博 ,   大内尉義

ページ範囲:P.465 - P.477

 大内(司会) 本日はお忙しいところをお集まりいただきましてありがとうございます.
 本日は「高脂血症と動脈硬化」という今日的なテーマで,基礎と臨床の専門の先生方に来て頂きました.高脂血症の動脈硬化の成因における役割と,それを踏まえて高脂血症の治療をどう進めていったらいいかについて,先生方の研究,あるいは臨床のご経験をざっくばらんにお話しいただければよろしいかと思います.

理解のための10題

ページ範囲:P.478 - P.480

カラーグラフ 冠動脈造影所見と組織像の対比・3

不安定狭心症

著者: 堀江俊伸

ページ範囲:P.482 - P.484

冠動脈造影上Type II偏心性狭窄を示した不安定狭 心症
 症例1 65歳,男
 主 訴 胸痛
 現病歴 10月初旬より朝出勤時に5分程度歩行すると胸部圧迫感が出現し,安静により症状は軽快していた.近医を受診し,狭心症の診断により亜硝酸薬の投与をうけていた.11月20日起床時に胸痛が出現し,同様の発作が毎朝続いたので11月29日当院外来を受診し,不安定狭心症の診断により精査目的で入院した.
 12月10日冠動脈造影を施行し,左冠動脈主幹部(Seg.5)に壁の不整を示すType II偏心性狭窄を認めた(図1A).発作の回数も増加していることから,12月18日冠動脈バイパス手術を施行した.回復室に帰室時,急に血圧低下,心室細動を起こし,手術19時間後に永眠した.

非観血的検査法による循環器疾患の総合診断

巨大左房内に流動エコーを認めた連合弁膜症の1例

著者: 大木崇 ,   福田信夫 ,   奥本哲生 ,   林真見子 ,   小川聡 ,   森博愛

ページ範囲:P.494 - P.502

■心音・心機図所見
 1)心音図と頸動脈波曲線(図1)
 心尖部〔Apex,左第7肋間中腋窩線(7LMAL)〕,第6および第3肋間胸骨左縁(6L,3L)の同時記録心音図と頸動脈波曲線を示す.
 I音(I)は亢進かつ遅延(Q-I時間=90msec)を示し,また拡張早期に僧帽弁開放音(OS)を認める.これらの所見は僧帽弁狭窄の存在を示唆するが,Q-I時間とIIA-OS時間(50msec)を用いて算出されるWells index〔(Q-I)-(IIA-OS)/10(msec)=+4〕から判断すると,左房圧上昇度は中等度以上と考えられる.II音はわずかに逆分裂を示し,大動脈弁病変の合併が予想される.
 収縮期雑音は,3Lを中心として収縮早期にピークを有するダイヤモンド型の雑音と,6Lにおける持続の長い雑音が主体をなし,心尖部の雑音は両者の伝播と解釈される.

グラフ 消化管造影 基本テクニックとPitfall

大腸(1)—検査の前処置と検査法のコツ

著者: 松川正明 ,   西澤護

ページ範囲:P.504 - P.514

 西澤 前回(26巻1号)まで小腸のX線造影についてお話しいただいて来ましたが,今回から大腸のX線検査ならびに診断法についてお話を伺っていきたいと思います.
 最近の傾向として,食事や生活環境の変化から大腸の炎症性疾患や大腸癌が非常に増加しており,大腸の検診が多くの施設で行われるようになってきました.そのために,大腸の精密検査をする必要にせまられてきましたが,実際には大腸の精密検査,X線検査をきちんとできる施設とか,医師が胃の検査に比べて非常に少ないというのが現状だろうと思うんです.

演習

目でみるトレーニング

ページ範囲:P.486 - P.493

心電図演習

著者: 白鳥健一

ページ範囲:P.515 - P.519

 数年前より労作時呼吸困難,失神発作などを起こす37歳女性が,腰痛と左半身の脱力感を訴えて来院した.
 患者37歳,女性

講座 図解病態のしくみ 循環器疾患・13

先天性心疾患—左-右シャント

著者: 石光敏行

ページ範囲:P.522 - P.527

概念
 右心系は一般的に左心系に比して低圧であるため,両者間に交通があると圧較差に従い,左心系より右心系に血流を生じる.このよ,うな異常血流を認める疾患を総称して左右短絡疾患とよぶ.その血行動態および病態生理は,どの解剖学的部位に交通が存在するかで異なるが,肺血流の増加をきたし,最終的に肺高血圧を生ずる点で共通性を有する.肺高血圧あるいは二次的に生じた三尖弁閉鎖不全により,交通が存在する部位での左右圧較差が消失すると,右左短絡が出現しチアノーゼが認められるようになる.図1に模式図で示したが,このような変化をきたしたものをEisenmenger症候群と称する.また本稿で取り扱う左右短絡疾患を表1に示す.

検査

検査データをどう読むか

著者: 小泉文明

ページ範囲:P.528 - P.531

 症例:53歳,女性(49歳で閉経).主訴:下肢の脱力.家族歴:特記すべきことはない.既往歴:1)30歳の時帝王切開を受けた.2)34歳の時より,貧血として数年間にわたり鉄剤の投与を受けた.現病歴:昭和59年12月,昼食前に手と口唇のしびれとともに下肢に力が入らなくなり,座り込んでしまい,起き上がろうとしたが思うように四肢が動かなくなった.3時間位横臥していたら症状は全く消失した.その後数回にわたり同様の症状が発現したが,1〜2時間休み,食事を摂取すると症状が消失した.昭和60年6月ビル内で研修中,歩行中に力が抜け,倒れこんでしまい,ただちにビル内のクリニックで診察を受けた結果,中枢神経系の障害を疑われ,東北大学附属病院神経内科を紹介された.諸検査の結果,神経学的には異常がなく,低血糖が認められたため,精査を目的として昭和60年7月26日第3内科に入院した.入院時所見:身長163cm,体重50kg.血圧98/68,脈拍60/分整.胸部に異常はなく,腹部は下腹部正中に手術痕を認め,肝を0.5横指(辺縁軟,鋭,表面滑)触知したが,圧痛,波動,腫瘤などは認められなかった.皮膚に発汗はなく,出血斑,色素脱失ならびに沈着,腋毛,恥毛などの脱落も認められなかった.四肢の異常運動,運動障害,病的反射なども認められなかった.

消化器疾患診療メモ

嘔気・嘔吐の鑑別診断—検査よりもまず病歴を!

著者: 上野文昭

ページ範囲:P.532 - P.533

 17歳のA嬢は母親に付き添われて外来にやってきました.
 医師「どうされましたか?」

神経疾患診療メモ

顔のしびれの診察のポイント—忘れてはならない2つの原因について

著者: 豊永一隆

ページ範囲:P.534 - P.535

 日常の診療では,顔のしびれを訴える患者はそれほど多くはない.そのために,どのようにこの問題にアプローチすればよいか分からなかったり,あるいは訴えを重要視しなかったりして,その結果しびれの原因が確定しない場合があると思われる.顔のしびれを起こす疾患には,表に示すように多くのものがある.この中には放置して問題がないものもあるが,できるだけ早く診断して治療を始める必要がある疾患も含まれている.今回は,稀にしか遭遇しないが,その存在を知っていれば容易に診断が可能となる2つの疾患について述べる.

循環器疾患診療メモ

ペースメーカーコードおよびペースメーカー植え込み患者の管理(1)

著者: 山科章 ,   高尾信廣

ページ範囲:P.536 - P.538

 今日,人工ペースメーカーは徐脈性不整脈の治療法としては欠かせぬものであり,日本では毎年1万人以上にペースメーカーが新たに植え込まれている.ペースメーカーのトラブルは患者の予後に直結するものであり,決して専門医まかせにすべきものでなく,一般臨床医にもペースメーカーに関する知識が要求されるようになっている.
 本稿ではペースメーカーについて専門医以外でも知っておくべきペースメーカーの機種,モードを表現するコード,設定条件について,次稿でおもにペースメーカートラブルについて,最も多く植え込まれている心室ペーシングであるVVIを中心に解説する.

新薬情報

ハロアート〔大鵬〕

著者: 水島裕

ページ範囲:P.540 - P.541

 ステロイド剤の関節注入療法は,慢性関節リウマチ(RA)などに少なくとも一時的には明らかに有効な薬剤であるが,いくつかの問題点がある.第1はその効果が必ずしも十分には持続しないこと,第2は全身性副作用があること,第3は稀に局所の副作用がある点である.これらの点を解決すれば,今後ステロイド剤の関節注入療法の有用性が増すことは明らかである.ハロアートは,これらの問題に対処するため,大鵬薬品で開発されたものである.

基本情報

medicina

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1189

印刷版ISSN 0025-7699

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バックナンバー

60巻13号(2023年12月発行)

特集 一般医家のための—DOAC時代の心房細動診療

60巻12号(2023年11月発行)

特集 内科医が遭遇する皮膚疾患フロントライン—「皮疹」は現場で起きている!

60巻11号(2023年10月発行)

増大号特集 患者さんの質問にどう答えますか?—言葉の意味を読み解きハートに響く返答集

60巻10号(2023年9月発行)

特集 ミミッカー症例からいかに学ぶか

60巻9号(2023年8月発行)

特集 症例から読み解く—高齢者診療ステップアップ

60巻8号(2023年7月発行)

特集 浮腫と脱水—Q&Aで学ぶジェネラリストのための体液量異常診療

60巻7号(2023年6月発行)

特集 整形外科プライマリ・ケア—内科医が知りたい整形外科疾患のすべて

60巻6号(2023年5月発行)

特集 Common diseaseの処方箋ファイル—臨床経過から学ぶ20症例

60巻5号(2023年4月発行)

特集 臨床医からみたPOCT

60巻4号(2023年4月発行)

増刊号 探求!マイナーエマージェンシー

60巻3号(2023年3月発行)

特集 令和の脳卒中ディベート10番勝負—脳卒中治療ガイドライン2021とその先を識る

60巻2号(2023年2月発行)

特集 慢性疾患診療のお悩みポイントまとめました—高血圧からヘルスメンテナンスまで

60巻1号(2023年1月発行)

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増大号特集 これからもスタンダード!—Quality Indicatorの診療への実装—生活習慣病を中心に

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