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文献詳細

雑誌文献

medicina26巻3号

1989年03月発行

文献概要

今月の主題 高脂血症と動脈硬化 高脂血症と動脈硬化の基礎

動脈硬化の発症機序

著者: 大谷秀夫1 北徹2

所属機関: 1京都大学医学部・第3内科 2京都大学医学部老年科

ページ範囲:P.390 - P.393

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●動脈硬化の発症機序
 生活様式の欧米化により,増加の一途をたどっている虚血性心疾患,および依然死亡率の上位を占めている脳血管障害の原因である動脈硬化が,最近改めて注目されている.
 従来,疫学的調査から,高血圧,喫煙,肥満などが,いわゆる危険因子として動脈硬化の原因として考えられてきたが,最近の分子生物学および遺伝子工学の発達により,その発症機序が,分子レベルで明らかになってくるとともに,発症機序に応じた治療法が開発されてきたのである.すなわち,粥状動脈硬化の病理学的特徴である泡沫細胞が,血中の単球由来のマクロファージが活性化されて,内皮下で動脈硬化惹起性リポ蛋白を大量に蓄積したものであることが証明され,さらに,そのリポ蛋白蓄積機構についても次第に知見が蓄えられてきており,これらの原因についての研究はそのまま,治療についても応用されるようになってきているのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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