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文献詳細

雑誌文献

medicina26巻3号

1989年03月発行

文献概要

今月の主題 高脂血症と動脈硬化 高脂血症の治療

LDLアフェレーシス—適応と治療効果

著者: 横山信治1

所属機関: 1アルバータ大学内科生化学

ページ範囲:P.448 - P.450

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 アフェレーシス(apheresis)とは,一般に体外循環装置を用いて血液中の成分を取り出す技術を指すと考えてよい.例えば血漿を取り出す場合には,プラスマフェレーシス,血球(特定の細胞)を取り出す技術はサイトアフェレーシスなどと呼ばれる.したがって,LDLを体外循環によって取り除く方法をLDLアフェレーシスと呼ぶ.本来これはLDLを選択的に除去することを意味するが,LDLのみを厳密に選択的に除くことは不可能であり,結局LDLを除去することを目的とした体外循環治療全体を指すと定義したほうがよいであろう.
 元来この技術は,薬剤に反応せず,かつ致死的な高LDL血症を呈する家族性高コレステロール血症(FH)のホモ接合体の患者の治療法として実用化されてきた.最初は連続遠心器を用いた血漿交換法によって行われた1).その後,比較的短時間のうちにヘパリンセファロース2)や抗LDL抗体セファロース3)を用いたLDLの選択的除去法が開発され,FHホモ接合体患者の実験的治療が行われてきた.1980年代にはこれらを基礎に種々な技術の実用化がはかられ,特に日本の体外循環の技術がこれに大きく貢献することとなった.これは,まず中空糸膜フィルター血漿血球分離器の利用の一般化であり,さらにLDLの選択的除去のための二次濾過膜の応用4),およびデキストラン硫酸セルロースによる選択的吸着装置の開発5)であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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