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文献詳細

雑誌文献

medicina26巻3号

1989年03月発行

文献概要

今月の主題 高脂血症と動脈硬化 動脈硬化性疾患の治療

腸管アンギーナ・虚血性腸炎

著者: 許俊鋭1 朝野晴彦1

所属機関: 1埼玉医科大学・第1外科

ページ範囲:P.458 - P.460

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 腸管アンギーナ(虚血性腸炎)は慢性に,あるいは急性に内臓動脈枝(visceral artery)に閉塞が生じることにより発生する.この領域の研究は1869年のChiene1)の剖検例における腹腔動脈(Celiacaxis),および上腸間膜動脈(Superior mesenteric artery=SMA)閉塞の観察が最初であるが,いわゆる慢性の腸管アンギーナが内臓動脈枝の閉塞により生じた腸管虚血に基づく2)ものか否かに関しては,1936年のDumphy3)の臨床的証明を得るまで議論が続いた.1957年Mikkelsen4)はかかる虚血性腸炎の外科的治療の重要性を示唆し,同年Shaw & Matnardは実際にSMA閉塞の外科的解除に成功している.動脈硬化以外に慢性の腸管アンギーナの原因としてdiaphragmatic cruraのbandの圧迫が原因となるceliac artery(CA)compression syndromeもある.
 SMAの急性閉塞に関しては1895年にElliottが最初に腸管切除を報告している.また1950年Klass5)はSMAの急性閉塞に対し血栓除去を行い,これが急性閉塞に対する血行再建の最初の試みであった.1960年代〜1970年にかけてかかる急性閉塞の原因・病態は徐々に明らかにされてきたが,早期発見が困難なことよりなおきわめて高い死亡率が報告され,今日的課題となっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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