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文献詳細

雑誌文献

medicina26巻3号

1989年03月発行

カラーグラフ 非観血的検査法による循環器疾患の総合診断

巨大左房内に流動エコーを認めた連合弁膜症の1例

著者: 大木崇1 福田信夫1 奥本哲生1 林真見子1 小川聡1 森博愛1

所属機関: 1徳島大学医学部・第2内科

ページ範囲:P.494 - P.502

文献概要

■心音・心機図所見
 1)心音図と頸動脈波曲線(図1)
 心尖部〔Apex,左第7肋間中腋窩線(7LMAL)〕,第6および第3肋間胸骨左縁(6L,3L)の同時記録心音図と頸動脈波曲線を示す.
 I音(I)は亢進かつ遅延(Q-I時間=90msec)を示し,また拡張早期に僧帽弁開放音(OS)を認める.これらの所見は僧帽弁狭窄の存在を示唆するが,Q-I時間とIIA-OS時間(50msec)を用いて算出されるWells index〔(Q-I)-(IIA-OS)/10(msec)=+4〕から判断すると,左房圧上昇度は中等度以上と考えられる.II音はわずかに逆分裂を示し,大動脈弁病変の合併が予想される.
 収縮期雑音は,3Lを中心として収縮早期にピークを有するダイヤモンド型の雑音と,6Lにおける持続の長い雑音が主体をなし,心尖部の雑音は両者の伝播と解釈される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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