icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina26巻4号

1989年04月発行

文献概要

今月の主題 輸血の実際と血液製剤 内科医のための輸血の実際

手術時の輸血のガイドライン

著者: 湯浅晋治1

所属機関: 1順天堂大学医学部・輸血学

ページ範囲:P.608 - P.612

文献購入ページに移動
 全血輸血から成分輸血へと転換してから十数年を経,一般の輸血では成分輸血が定着してきたが,手術時の輸血となるとまだ問題なしとはいえない.すなわち外科手術では全血が失われるのだから,やはり全血で補うという伝統的な考えが一部にある.しかし今日では,どのような症例であろうと,輸血が必要だからといってただ漫然と全血を輸血することは,臨床的にもはや正当化されるものではない.患者の必要とする成分のみを輸血することは医学的に合理的のみならず,輸入に大きく依存している血漿製剤の国内確保にもっながるもので,とくに外科・手術においては濃厚赤血球の適応と使用を促進することが重要である.
 血液製剤の適正使用についてはすでに厚生省のガイドラインが出ているが,ここではとくに外科・手術の際の輸血について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?