icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina26巻4号

1989年04月発行

文献概要

今月の主題 輸血の実際と血液製剤 副作用・合併症の対策

GVHDと輸血

著者: 品田章二1

所属機関: 1新潟大学医学部付属病院・輸血部

ページ範囲:P.626 - P.627

文献購入ページに移動
●輸血によるGVHDの特徴
 輸血後約1週間(3〜30日後)に突然,39℃台の発熱,ゆでだこ様の紅皮症,白血球減少,肝障害(GOT, GPTが100単位前後に上昇),下痢などの症状が出現する.一度発症すると,ステロイド,抗胸腺グロブリン,メトトレキセート,サイクロスポリンなどを投与しても無効のことが多く,1週間以内に強い骨髄抑制所見(汎血球減少症)に陥り,90%以上の症例が細菌感染症や出血などで死亡する,重篤な輸血後副作用である1,2)
 この病態は,輸血された血液中の分裂能をもつリンパ球が,患者の組織適合性抗原を異物と認識し攻撃するGraft-versus-Host Disease(GVHD)であると解釈されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?