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カラーグラフ 非観血的検査法による循環器疾患の総合診断
突然に心雑音が出現したValsalva洞動脈瘤破裂の1例
著者: 福田信夫1 大木崇1 内田知行1 恵美滋文1 細井憲三1 森博愛1
所属機関: 1徳島大学医学部・第2内科
ページ範囲:P.654 - P.662
文献購入ページに移動1)心音図(図2)
心尖部(Apex),第4肋間胸骨左縁より3横指外側(4L lat.)および第2肋間胸骨左縁(2L)の同時記録心音図を示すが,診断上ポイントとなるのは次の3点である.
a)4L lat. の連続性雑音
b)2Lの収縮期雑音
C)II音の幅広い分裂とII音肺動脈弁成分(IIP)の減弱
4L lat. の心雑音は,心音図上収縮期,拡張期を通じて持続的に認められ,高低両周波数成分に富み,かつ収縮期成分よりも拡張期成分の振幅が著明に大であることから,荒々しい性質を有し,しかも拡張期強勢を示す連続性雑音であることが理解できる.以上述べた特徴,最強点の位置および表在性の性質から,本雑音の原因疾患として最も可能性の高いものはValsalva洞動脈瘤の右室内破裂である(medicina vol. 26,no. 2,p. 322の本シリーズ参照).
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