icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina26巻4号

1989年04月発行

文献概要

神経疾患診療メモ

複視

著者: 西平竹夫1

所属機関: 1沖縄県立中部病院・内科(神経内科)

ページ範囲:P.678 - P.680

文献購入ページに移動
 物が二重にみえると訴える場合,神経学的意義をもつのは両眼複視の場合で,単眼視で複視が消失することをまず確認しなければならない.両眼複視は眼球運動の共同運動障害によって生じ,第III, IV, VI脳神経核の存在する脳幹部,またはそこから出て外眼筋に至るまでの末梢神経のどこかに障害が存在するとき,複視として自覚する.
 複視の原因となる病変部位を表1に示す.これらの病変部位を理解するためには,第III, IV, VI脳神経核の存在する脳幹部の解剖,脳神経核より出て眼球運動を支配する外眼筋に至るまでの複雑な末梢神経の局所解剖学の理解がとくに大切で,大抵の神経学のテキストに図示されている.臨床所見から病変部位を予測し,確定診断のための諸検査や神経放射線学的検査で最終診断,治療方針を決定する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?