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文献詳細

雑誌文献

medicina26巻5号

1989年05月発行

今月の主題 内科医のための他科疾患プライマリ・ケア

耳鼻咽喉科

中耳炎・中耳カタル

著者: 小名愛1

所属機関: 1国立東京第二病院・耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.800 - P.802

文献概要

●概説
 中耳炎(otitis media,Mittleohrentzündung)とは,中耳腔粘膜の炎症である.中耳腔は図1のように3),鼓室を中心に耳管や乳突洞,乳突蜂巣と交通し,含気蜂巣と呼ばれる骨性の小さな部屋が入り組んでいて,複雑な構造をしている.そのうえ,聴力に関与する耳小骨を含む上鼓室と中鼓室の間はくびれて最狭部をなし,2つの領域に分かれているので,相互の空気や液の交流が困難である.蜂巣の発育状態には個人差があり,中耳炎の経過と大いに関連する.また中耳腔は上咽頭に通じる細長い耳管によって外界と交通しているので,感染する機会が多い.以上のように中耳の特殊な構造が中耳炎の発症,経過に密接に関与している.
 中耳の炎症は細菌感染,ウイルス感染,耳管閉塞などによって起こり,アレルギーも関与すると考えられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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