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今月の主題 糖尿病マネージメントUpdate 糖尿病治療の実際
経口血糖降した剤療法—ビグアナイド剤—世界の動向
著者: 原納優1
所属機関: 1国立循環器病センター・動脈硬化代謝内科
ページ範囲:P.954 - P.956
文献購入ページに移動 ビグアナイド剤の糖尿病における紀源は古く,中世ヨーロッパでフランスライラックが治療に使用されていたことに朔る.この植物はグアニジンに富み1920年代種々の誘導体が糖尿病薬として開発が試みられた.1957年Ungarらが動物実験においてビグアナイド剤の血糖降下作用を示し,その後臨床使用が行われるに至った.一般に使用されたビグアナイド剤はphenformin,metforminおよびbuforminであるが,phenforminは1970年代に乳酸アシドーシスの合併例が問題となり,世界的に使用が中止された(表1).
NIDDMの成因としてインスリン作用不全がより明確となり,インスリン作用増強物質が注目されるに及び,ビグアナイド剤の作用機序が再検討されNIDDMにおける治療薬として再評価されようとしている1).とくにNIDDMの合併症として,Diabetic macroangiopathyが重要視され肥満,および高インスリン血症が促進因子の1つとして考慮されているが,ビグアナイド剤は減量および血中インスリンの低下作用を有することも知られており,また低血糖症をきたし難い点などから,肥満NIDDMや軽症糖尿病に対しその適応が再び注目されようとしている.
NIDDMの成因としてインスリン作用不全がより明確となり,インスリン作用増強物質が注目されるに及び,ビグアナイド剤の作用機序が再検討されNIDDMにおける治療薬として再評価されようとしている1).とくにNIDDMの合併症として,Diabetic macroangiopathyが重要視され肥満,および高インスリン血症が促進因子の1つとして考慮されているが,ビグアナイド剤は減量および血中インスリンの低下作用を有することも知られており,また低血糖症をきたし難い点などから,肥満NIDDMや軽症糖尿病に対しその適応が再び注目されようとしている.
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