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文献詳細

雑誌文献

medicina26巻6号

1989年06月発行

文献概要

今月の主題 糖尿病マネージメントUpdate 糖尿病治療の実際

インスリン療法—スルフォニル尿素剤とインスリンの併用療法

著者: 加来浩平1

所属機関: 1山口大学医学部・第3内科

ページ範囲:P.970 - P.971

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●併用療法の背景—理論的根拠
 1950年代後半にスルフォニル尿素剤(以下SU剤)の臨床応用が始まって以来,インスリンとの併用はしばしば議論されてきたが,近年一層の注目を集め,多くの報告がなされている.SU剤の血糖降下作用の主たる機序として治療開始後の比較的早期にみられる内因性インスリン分泌刺激効果(膵作用)があげられるが,最近,末梢のインスリン標的組織において受容体以降でのインスリン作用の助長,あるいは薬剤自身のインスリン様作用(膵外作用)が注目されている1).一方,インスリン療法のもつ問題点として,1)しばしば大量投与が必要となり,高インスリン血症が避けがたいこと,その結果,2)合併症としての動脈硬化の進展を促す危険性を伴うこと,また,3)内因性インスリン分泌を抑制することがあげられる.このようなインスリン療法の不合理性を是正する一つの試みとしてSU剤との併用療法が注目されたわけであるが,その理論的根拠はこれまでに明らかにされたSU剤の作用機序に基づくものである.すなわち,SU剤の併用によってインスリン療法の弱点を補うことによって,より大きなインスリン効果を得ることがこの併用療法のねらいである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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