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文献詳細

雑誌文献

medicina26巻7号

1989年07月発行

文献概要

今月の主題 内科エマージェンシー 症状からみた内科エマージェンシー

意識障害—昏睡

著者: 畑隆志1

所属機関: 1北里大学医学部・内科

ページ範囲:P.1110 - P.1114

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●まず行うべきこと
1)意識障害があるか?昏睡かどうか?の診断
 意識障害があるかないかの診断は,それが重症であればそれほど困難ではない.しかし,軽症の意識障害の場合には,痴呆や失語症,うつ状態などと鑑別することはけっして容易ではない.
 意識障害の重症度は,患者を覚醒するに必要な刺激の種類と強さ,刺激に対する反応が適切か否かにより判定する.意識障害の中で,自発的にも,言語刺激にも,さらには痛覚刺激に対しても開眼しない状態を昏睡という.半昏睡(semicoma),昏睡(coma)または深昏睡(deep coma)と分けることもある.この場合,半昏睡では痛覚刺激やその他生体にとって不都合と考えられる刺激に対して,払いのけや逃避など,ある程度の合目的的な運動がみられることもあり,対光反射,角膜反射,咳嗽反射,毛様体脊髄反射など,脳幹に中枢をもつ反射は保持されている.一方,昏睡(深昏睡)では,原則として疼痛刺激に対する反応や角膜・対光・嚥下・深部反射なども減弱ないし消失し,最低限の生命維持機構のみが働いている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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