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文献詳細

雑誌文献

medicina26巻8号

1989年08月発行

文献概要

実践診療dos and don'ts

利尿剤の功罪/頭痛の診断

著者: 堅村信介1

所属機関: 1川崎医科大学・腎臓内科

ページ範囲:P.1334 - P.1334

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 飲まず食わずの遭難者が救助されたが,昨晩から尿が数ccずつ程度しか出ていないという.血液を採取したが,検査結果が出るまで時間がかかる.脱水補正のため経静脈的に点滴を始めたが尿意はまだない.膀胱カテーテルを入れたが,2cc程度の尿を認めただけであった.血液検査の一部が判明し,BUN 38mg/dlと報告を受けた.
 この場面で,利尿剤を使おうと考える人も結構いると思う.頭の中で,key wordが脱水から乏尿無尿に,無意識の内に置き変わっているとなおさらである.膀胱カテーテルのわずかな尿を調べることなく,もし利尿剤を投与したら,脱水状態をさらに悪化させるだけでなく,大切な"情報"を自ら放棄することになる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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