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文献詳細

雑誌文献

medicina26巻9号

1989年09月発行

文献概要

今月の主題 循環器薬の使い方 狭心症

亜硝酸薬の使い方

著者: 光藤和明1

所属機関: 1倉敷中央病院・循環器内科

ページ範囲:P.1460 - P.1464

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●抗狭心症作用のメカニズム
 硝酸薬の細胞レベルでの作用メカニズムについては,未だ明確でない部分が残されているが,その臨床上基本的な作用は,動・静脈の直接拡張作用にある.硝酸薬の抗狭心作用は,この血管拡張作用が,多角的に心筋酸素需給に働きかけ,結果として虚血を改善するものと考えられている(図).
 すなわち心筋酸素需要の面からは,酸素需要の3つの最も大きな規定因子である心拍数,心筋収縮力および壁張力については,大動脈収縮期圧と左室容量の低下により,壁張力が低下し,これが心拍数の増加を上回って,心筋酸素需要を減少せしめる.酸素供給の面からは,大動脈拡張期圧は低下せしめるものの,左室拡張期圧はさらに低下し,冠灌流圧が上昇することにより,あるいは冠攣縮を解消することにより,虚血部の血流を増加させ,酸素供給を改善するものと考えられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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