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文献詳細

雑誌文献

medicina26巻9号

1989年09月発行

今月の主題 循環器薬の使い方

急性心筋梗塞

急性心筋梗塞治療薬の選択

著者: 佐藤光1 立石博信1

所属機関: 1広島市民病院・内科

ページ範囲:P.1477 - P.1479

文献概要

●鎮痛剤
 心筋梗塞の急性期に最初にしなければならないのは,痛みに対する治療である.通常,モルヒネを少量ずつ,ゆっくり静注する.その際,鎮痛剤は筋肉内注射を避けるのが望ましい.筋肉内注射は血清CK値を上昇させて,血清酵素学的診断を誤らせる可能性があるからである.ペンタゾシンのように,心拍数や血圧を増加させ,心筋酸素消費量を増加させる恐れのある鎮痛剤は,急性期には避けることが望ましい.胸痛と同時に徐脈や低血圧を伴うときは,アトロピンの静注を試みる.しかし少量では中枢性副交感神経を刺激し徐脈を強めることがあり,量が過ぎると腸閉塞,尿閉や緑内障クリーゼに注意しなければならない.
 急性期の病態を正確に把握する目的でなされる,大動脈圧の観血的測定,Swan-Ganz catheter法による肺動脈圧や心拍出量の測定と同様に,あるいはそれ以上に重要なのは冠動脈造影である.冠動脈の病態を正確に知ることが治療の原則を決定する.と同時に責任冠動脈の閉塞の疎通を計ることが大切である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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