文献詳細
文献概要
今月の主題 循環器薬の使い方 高血圧
Ca拮抗薬の使い方
著者: 栃久保修1
所属機関: 1横浜市立大学医学部・第2内科
ページ範囲:P.1534 - P.1537
文献購入ページに移動 Ca拮抗薬(calcium antagonist,calcium channel blocker,calcium entry blocker)は,歴史的には狭心薬として開発され,近年になり降圧作用が注目されたのであるが,1984年の米国合同委員会における段階的治療法では第2あるいは第3段階の降圧薬として位置づけられ,さらに1988年には,利尿薬,β遮断薬,ACE阻害薬とともに第1選択薬として用いられるようになり1),降圧薬として急速に発展しつつあり,本邦でも多数の薬が開発され使用されるに至っている.
その理由は,本剤が他の降圧薬,たとえば利尿薬にみられる低K血症,糖・脂質・尿酸代謝などに対する悪影響,β遮断薬にみられる心不全や喘息悪化などのような重篤な副作用が少なく,しかも降圧効果が確実で,高齢者や心血管合併症を有する高血圧患者にも比較的幅広く使用し得るなどの利点があるからだと思われる.さらに本邦では最近Ca拮抗薬の静注薬も新たに開発・市販され,高血圧緊急症に対する応用なども期待され,その降圧薬としての守備範囲もますます広がりつつある.とはいえ,降圧薬として利尿薬・β遮断薬ほどの歴史がないため長期予後に対するデータが不十分であり,切れ味の鋭さゆえ起こる問題点も残されている.
その理由は,本剤が他の降圧薬,たとえば利尿薬にみられる低K血症,糖・脂質・尿酸代謝などに対する悪影響,β遮断薬にみられる心不全や喘息悪化などのような重篤な副作用が少なく,しかも降圧効果が確実で,高齢者や心血管合併症を有する高血圧患者にも比較的幅広く使用し得るなどの利点があるからだと思われる.さらに本邦では最近Ca拮抗薬の静注薬も新たに開発・市販され,高血圧緊急症に対する応用なども期待され,その降圧薬としての守備範囲もますます広がりつつある.とはいえ,降圧薬として利尿薬・β遮断薬ほどの歴史がないため長期予後に対するデータが不十分であり,切れ味の鋭さゆえ起こる問題点も残されている.
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