icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina27巻10号

1990年09月発行

文献概要

増刊号 内科エマージェンシーと救急手技 症状からみた内科エマージェンシー

38.吐血,黒色便

著者: 加藤眞明1 佐島敬清1

所属機関: 1横浜市立市民病院・内科

ページ範囲:P.1796 - P.1798

文献購入ページに移動
 消化器疾患のなかで吐血,黒色便はよく遭遇する症状であるが,その原因はさまざまであり(表),同一の原因でも軽症から重症,さらにはショックから死に至る場合もある.外来にそのような患者が来院したときには,消化管出血が急性なのか慢性なのか,循環動態が安定しているのかいないのかを早急に判断し,的確な処置を講じなければいけない.最初の目標は循環動態の安定であり,そのうえで個々の治療が考えられる.
 吐血は通常Treitz靱帯より上部の消化管が出血源であるが,時として幽門輪以下の場合に胃内への逆流が認められず,大量の出血があっても吐血しないことがある.黒色便は,消化管内に少なくとも100〜200mlの血液があれば認められる.出血源としては上部消化管が多いが,小腸や時に大腸が出血源のこともある.本項では主に上部消化管出血による吐血,黒色便について述べ,下部消化管出血は他項にゆずる(「39.新鮮下血」の項参照⇒P 1800).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら