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増刊号 内科エマージェンシーと救急手技 症状からみた内科エマージェンシー
43.乏尿,無尿
著者: 小西孝之助1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部・内科
ページ範囲:P.1812 - P.1813
文献購入ページに移動乏尿とは通常1日尿量が400ml以下の場合を指す.無尿とは尿量がまったくない状態であるが,臨床的には1日尿量が100ml程度以下の場合を指すことも多い.乏尿・無尿は,成因により腎前性,腎性,腎後性,の3種類に分けて考えるとよい(表1).
腎前性乏尿・無尿は,循環動態の異常に腎臓が反応して尿量が減少する場合である.腎性乏尿・無尿は,腎の器質的病変のために腎機能が低下して起こる.腎後性の乏尿・無尿は,尿路閉塞によって起こり,通常両側上部尿路の閉塞または下部尿路の閉塞で起こる.稀に一側の腎臓が欠如するかその機能が廃絶しているうえに,他側の上部尿路が閉塞して乏尿,無尿をきたす場合もある.
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