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雑誌目次

雑誌文献

medicina27巻11号

1990年10月発行

雑誌目次

今月の主題 ベッドサイドの痴呆学

(editorial)痴呆学—内科医にとって必修の分野

著者: 小川紀雄

ページ範囲:P.2028 - P.2029

 本格的な高齢社会を迎えたわが国では,痴呆老人に対する関心が医学的にも社会的にも高まってきている.従来,痴呆は精神科領域のものであると考えられがちであったが,これは現実とはかけ離れている.各地での疫学調査の結果は,痴呆老人の居住区分のごくわずかが精神病院や施設であるにすぎず,85〜90%は在宅あるいは一般の病院や診療所であることを明確にしている.このことは,痴呆老人の大部分が主として内科医のもとで治療や介護を受けていることを意味している.この状況は患者にとって大変好ましいことである.なぜなら,全身管理を常に念頭において診療にあたる内科の医療を基盤にして治療を受けることができるからである.したがって,高齢社会を迎えたわが国においては,好むと好まざるにかかわらず痴呆老人に関する知識と診療手技をマスターすることが第一線で活躍する医師に求められている.
 代表的な痴呆疾患としてはアルツハイマー型痴呆,脳血管性痴呆,ピック病,クロイツフェルト・ヤコブ病などがあり,老年期痴呆としては前2者が大部分を占めている.アルツハイマー型痴呆については原因はまだ明らかでなく,もちろん治療法や予防法も開発されておらず,介護や問題行動の抑制のための抗精神病薬の巧みな使用が中心となる.

痴呆へのアプローチ

痴呆とは何か—overview

著者: 萬年徹

ページ範囲:P.2030 - P.2034

 痴呆に関係した多くの問題が間断なく取り上げられ,話題となっている.いずれの雑誌でも「高齢化社会」に付随する問題として捉えられているようである.それも1つの要因であろうが,精神科領域の人々ばかりでなく,神経内科や老年科の人々が「痴呆」を自分達の問題としてみるようになったのも見逃すことのできない要素となっている.
 「痴呆」といった場合,老年期にみられる脳機能の荒廃状態,すなわち老年痴呆を意味すると解釈されるけれども,痴呆という言葉は脳の疾患によって生ずる1つの症状,または状態であることを忘れてはならない.痴呆を取り上げた教科書のいずれをみても鑑別疾患が多数並べられてあるのもこのゆえである.

問診のコツ

著者: 新井平伊 ,   飯塚禮二

ページ範囲:P.2036 - P.2037

 高齢化社会が到来しつつあることは,日々の臨床において高齢の患者を診察する機会が増えつつあることからも認識される.精神医学の領域においても,痴呆をはじめ精神症状を伴った高齢者の受診が増えている.高齢者が精神症状を示す原因はきわめて多彩であるが,早期に診断して適切な治療を行ったかどうかによって予後がかなり影響されることがある.本稿では,精神症状を伴う高齢者が受診した際にはどのような点に留意して診察を進めるべきかについて述べてみたい.

痴呆と誤りやすいもの—とくに意識障害

著者: 山之内博

ページ範囲:P.2038 - P.2040

 日常の診療において,痴呆と誤りやすい疾患(状態)で最も重要なのは,せん妄状態を中心とする意識障害である.厳密な意味での痴呆は治療手段のないものが多いが,せん妄状態をきたす疾患の中には治療可能なものが少なくないので,これらの鑑別は重要である.いわゆるぼけ状態,痴呆様症状の患者を診るとき,とくに症状が比較的急激に起こっているときには,これは痴呆だからどうしようもないとは思わずに,できるだけ原因疾患を追求することが大切と考える.

評価の尺度—痴呆の診断と重症度の判定

著者: 大塚俊男

ページ範囲:P.2042 - P.2046

 従来は痴呆の治療に関しては悲観的な考え方が強いことから,臨床医は痴呆の診断,治療,ケアなどこの分野への関心は薄く,取り組みがあまりなされていなかったが,今日では痴呆の患者の著しい増加のため,その家族からのニーズも高く,臨床医は診断,治療および相談指導とその対応に迫られている状況である.また早期からの治療やケアが痴呆の重症化への阻止に効果があることから,早期に痴呆を発見し,診断することが重要視される.
 そのためには痴呆の初期に,知能の低下を把握することができる評価法が必要とされ,わが国では多くの簡易評価法が考案され用いられている.そこで本稿では,痴呆を評価する上での診断基準,その際に留意する精神機能および実際の評価法にっいて述べる.

器質性痴呆の種類と特色—脳血管性痴呆

著者: 廣瀬源二郎

ページ範囲:P.2047 - P.2050

 脳血管性痴呆は,かつては高齢者にみられる痴呆のうち,いわゆる脳動脈硬化症に基づく後天性の痴呆に対し使われていた.しかしHachinskiらが単なる脳動脈硬化だけでは痴呆の病態を呈さず,むしろ大小の多発性に生ずる梗塞が痴呆の病因となるとして,Multi-infarct dementia(MID:多発梗塞性痴呆)なる概念を提唱して以来,MIDと同一の概念で使われることが多い.
 一方,1990年4月のStrokeに発表されたNINDSのClassification of CerebrovascularDisease III(脳血管障害分類III)において,はじめてVascular dementia(血管性痴呆)が臨床的疾患の1つとして分類された.そのなかで多発性梗塞は痴呆をきたしうるが,単一の小梗塞では痴呆の原因となりにくいと説明しており,このVasculardementiaはおそらくMIDを意味すると考えられる.しかしここでは,脳血管性痴呆をもう少し広い意味で血管性痴呆としてとらえ,特殊型も含めて説明する.

器質性痴呆の種類と特色—アルツハイマー型老年痴呆

著者: 武田雅俊 ,   西村健

ページ範囲:P.2051 - P.2056

 老年痴呆(senile dementia)の概念を明確に独立させ,その病態を具体的に記述したのはEsqui-rolであり(濱中,1986),Kraepelinの精神医学教科書第8版では,1907年にAlois Alzheimer(1864〜1915)が報告した初老期痴呆はアルツハイマー病と命名され,老年痴呆との異同が議論されている.長い間アルツハイマー病は老年痴呆と区別されてきたが,1960年代以降の生化学的研究により,アルツハイマー病と老年痴呆とは類似の神経化学的病変を示すことが認められ,現在は両者をまとめてアルツハイマー型痴呆(dementia ofthe Alzheimer type)と呼ばれている.アルツハイマー型痴呆の病理過程はウイルス性脳疾患,ボクサー脳症,パーキンソン痴呆症など多種の病態にも認められているが,加齢変化と密接な関係を有する疾患であり,脳の生理的加齢変化との区別が問題となる.

器質性痴呆の種類と特色—クロイツフェルト・ヤコブ病

著者: 立石潤

ページ範囲:P.2058 - P.2059

 クロイツフェルト・ヤコブ病(以下CJD)は初老期痴呆症に属する変性疾患と思われていたが,患者材料を実験動物に接種すると長い潜伏期間の後に発病することが判った.ほぼ同一の疾患で遺伝性に発病するゲルストマン・ストロイスラー病(以下GSS)とニューギニアの原住民に多発したクールーが知られており,動物では羊のスクレイピーとそれが他の動物に伝播したミンク脳症や牛の海綿状脳症(BSE)などがある.後者は乳牛が突然狂暴になるところから,“狂牛病”と呼ばれて最近注目されている.これらはいずれも脳に海綿状変化とクールー斑を共通に示し,特異なプリオン蛋白が証明され,亜急性海綿状脳症またはプリオン病と総称されることがある.

器質性痴呆の種類と特色—皮質下性痴呆

著者: 金澤一郎

ページ範囲:P.2060 - P.2061

 「皮質下性痴呆」という言葉だけは今世紀初頭からあったもののあまり注目されずにいたが,アルツハイマー病を中心とする皮質性痴呆が問題になるにつれて,それとは臨床的に一味異なる痴呆として注目を集めることとなった.現在では大脳皮質より奥深い部分,すなわち皮質下の諸核に主たる病変をもつ疾患に認められる知能障害を皮質下性痴呆と呼んでいる1).実際には,これに性格変化など精神障害をも含めるのが一般的である.したがって,皮質下性痴呆を呈する原因疾患はきわめて多彩であり,パーキンソン病,ハンチントン病,進行性核上麻痺,脊髄小脳変性症(とくに歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症;DRPLA),視床変性症など,数多くの疾患がその基礎疾患として挙げられている.厳密にいえば現在でもなおこの概念には混乱や反論があるものの,ここに挙げた各種疾患における知能障害がアルツハイマー病などとは異なる特異的な臨床像を呈するという点には異論はないであろう.

器質性痴呆の種類と特色—器質性痴呆の鑑別診断

著者: 池田久男

ページ範囲:P.2062 - P.2064

 日常の臨床において,痴呆の診断には以下の3ステップが実行されている.第1ステップは,患者の示す病態(精神症状)が痴呆であるかどうかの病態診断である.これには病歴,精神医学的面接,および心理テスト(知能テスト)の結果が参考となる.第2ステップは,この痴呆の原因となっている基礎(原因)疾患は何かの疾病診断である.これには病歴のほかに,その痴呆の臨床特徴,神経学的検査の結果が参考になる.さらに第3ステップには,患者の処遇や治療方針の決定に必要な痴呆の重症度診断がある.これには患者の日常生活能力(ADL)の評価や,痴呆患者のステージ分類評価が参考になる.本稿では,主としてステージ1および2に関連する項について述べる.

痴呆の疫学

著者: 浦上克哉 ,   高橋和郎

ページ範囲:P.2066 - P.2067

 老年痴呆,とくにアルツハイマー型痴呆(DAT)の原因究明は,今世紀最大のテーマのひとつと考えられる.近年,分子生物学の手法により,老人斑を構成するアミロイドβ蛋白前駆体の異常が明らかとなり,DAT研究も急速に進歩してきている.一方,疫学調査は,病気の実態を把握し,発症要因をさぐるのに有用な方法である.本稿では,DATに関する疫学的知見について,筆者らの山陰地方で行った調査もまじえて述べる.

痴呆の予後

著者: 浦上克哉 ,   高橋和郎

ページ範囲:P.2068 - P.2069

 アルツハイマー型痴呆(DAT)は,65歳未満で発症してくる初老期痴呆のアルツハイマー病(AD)と,65歳以上で発症してくる老年痴呆のアルツハイマー型老年痴呆(SDAT)が病理学的に差異を認めないことより,包括して扱われた概念である.近年,ADとSDATの差異,SDATのhete-rogeneityが報告されてきている.
 痴呆の調査は従来断面的なものが多く,予後に関する追跡調査はあまりなされていなかった.本稿では,筆者らの山陰地方での追跡調査により得られたSDATの経過を中心に,老年期痴呆の予後について述べる.

リスクファクターと予防

著者: 新野峰久 ,   近藤喜代太郎

ページ範囲:P.2070 - P.2072

 老年期痴呆の主な原因として,変性と多発梗塞を中心とする脳循環障害がある.痴呆は症候であり,基礎となる脳病変と痴呆化との関係には不明の点が多いが,基礎となる脳病変とそれに基づいて起こる痴呆は,多くの遺伝的・後天的要因の影響を受けつつ,徐々に成立すると推測される.したがって,その各段階の危険要因も同一とは限らず,相互に複雑に交絡すると考えられる.本稿では筆者らの成績とともに,これらの危険要因の研究の現状について概観する.

治せる痴呆を見逃さないために

治せる痴呆と治せない痴呆の見分け方

著者: 久野貞子

ページ範囲:P.2074 - P.2075

 現在,アルツハイマー病(AD)またはアルツハイマー型老年痴呆(SDAT)が治せない痴呆であり,脳血管性痴呆が多少とも改善余地がある痴呆とされているのに対して,Cummings1,2)により提唱された可逆的痴呆またはtreatable dementia(TD)という概念がある.彼の分類によれば,代謝性疾患,頭蓋内疾患,中毒性疾患などにより二次的に知的機能が障害されたために生じた痴呆は,原疾患を治療すれば改善するので治せる痴呆ということになる.これらの痴呆は通常,原疾患に対する早期の適切な治療によって改善可能であるが,時期を失すると不可逆的痴呆に陥るため,第一線の臨床医師の適切な診断が予後を左右するといっても過言ではない.ここでは,TDの診断の手がかりについて簡単に述べる.

薬物による痴呆

著者: 西山和利 ,   作田学

ページ範囲:P.2076 - P.2079

 昨今の医学の進歩により,痴呆は治せない症状とする時代から治療可能な痴呆も多く見出しうる時代へと変化した.そうした状況からも,痴呆の原因を追求し,治療可能なものかどうか見きわめることは重要である.一方で医学の進歩は使用薬剤の多様化をももたらし,諸種の疾患治療の目的で使用する薬剤そのものによる痴呆症状も増加した.このため使用中に痴呆を副作用として念頭に置くべき薬剤を知ることも,薬剤性の痴呆を可能な限り未然に,また軽症で防ぐという意味で大切である.
 まず自験例を紹介した後に,痴呆を生じうる薬剤について概論する.

脳外科的疾患による痴呆

著者: 松本皓

ページ範囲:P.2080 - P.2082

 痴呆症状を呈し脳外科的手術療法にて症状の改善が期待しうる疾患としては,中高年者の慢性硬膜下血腫・脳腫瘍,正常圧水頭症が挙げられる.

身体的疾患による痴呆—水・電解質異常

著者: 松永宗雄

ページ範囲:P.2084 - P.2085

 水・電解質異常による精神症状は,意識障害が前景に立つことが多く,重症例では痴呆としては捉えられ難いともいえる.しかし時には唯一の臨床症状が痴呆のこともあり,とくに高齢者のNa代謝異常には注意を要する.

身体的疾患による痴呆—内分泌・代謝疾患

著者: 松永宗雄

ページ範囲:P.2086 - P.2087

 内分泌疾患患者には種々の形で精神症状を伴い,その頻度も少なくない.中でも甲状腺機能低下症では高率に痴呆様症状をきたす.多くの例では他の身体条件や検査データから診断はさして困難ではないが,高齢者では精神症状以外がマスクされてしまうこともあり,注意を要する.内分泌疾患の大半は治療可能であり,適切な対処によって精神症状も可逆的であるので,早期診断・治療がことさら重要であることを強調したい.

身体的疾患による痴呆—慢性腎不全,透析脳症

著者: 武田雅俊

ページ範囲:P.2088 - P.2089

 慢性腎不全患者に痴呆が出現した場合には,まず尿毒症性脳症を,稀にはcimetidine(タガメット®),cefazolin(セファメジン®)など薬物の異常蓄積による脳障害を考える.患者が透析導入直後なら透析脳不均衡症候群を,長期間の透析患者の場合には透析脳症,あるいは,ビタミン欠乏によるウェルニッケ脳症,副甲状腺機能亢進症による脳障害などを考える.

身体的疾患による痴呆—肝不全

著者: 武田雅俊

ページ範囲:P.2090 - P.2090

 急性肝不全患者において,興奮,せん妄に続いて昏睡に陥り,数日で死亡にいたる昏睡型の肝性脳症が知られているが,一方,年余にわたり慢性的に多彩な精神神経症状のシューブをくり返す肝性脳症があり,痴呆症状が前景に認められることがある.

身体的疾患による痴呆—無酸素脳症

著者: 野元正弘

ページ範囲:P.2091 - P.2091

 高齢者の脳は無酸素症に対しては非常に脆弱で,急性の無酸素症の後遺症として,あるいは慢性,持続性無酸素症の結果として痴呆症状を呈しうる.後者の持続性無酸素症の結果としての痴呆はとくに重要で,原因となる疾患の治療により痴呆症状の改善が得られるので見逃してはならない.なお無酸素症(anoxia)に対して低酸素症(hypoxia)が用いられることもあるが,ここでは両者を含めて無酸素症と呼ぶ.慢性持続性無酸素症の原因としては,心疾患,呼吸不全,脳血流障害があげられる.

身体的疾患による痴呆—感染症

著者: 黒田康夫

ページ範囲:P.2092 - P.2093

 感染症が痴呆の原因であることはけっして稀ではない.細菌,真菌,レプトスピラ,原虫,ウイルスなど,すべての微生物が中枢神経系に感染して痴呆を生じうる.臨床的にも,発熱,末梢血白血球増多や赤沈充進の炎症所見を呈さずに,感染症が徐々に痴呆を生じさせることも多い.したがって,原因不明の進行性の痴呆患者に際しては,血液や髄液に炎症所見がなくても感染症を否定してはならない.

身体的疾患による痴呆—栄養障害,ビタミン欠乏

著者: 野元正弘

ページ範囲:P.2094 - P.2094

 種々の栄養障害により痴呆症状が生じる.慢性アルコール中毒や独居老人などの低栄養状態の人に起こりやすい.治療は低栄養状態の改善とビタミン類の補充であり,困難ではない.しかし治療が遅れると回復しにくくなるため,早期の診断・治療が重要である.

精神科的疾患による痴呆

著者: 黒田重利

ページ範囲:P.2096 - P.2098

 「精神科的疾患による痴呆」は現在は老人のうつ病による仮性痴呆を意味していることが多いが,精神医学の教科書の中では第1番にGanser症候群があげられていることが多い.これは歴史的に概念の変遷があったからであり,仮性痴呆(pseudodementia,Pseudodemenz)はかつてはヒステリー性の痴呆様状態を指していた.ところが,Kiloh1)が1961年に仮性痴呆はGanser症候群以外にも,うつ病,躁病,精神分裂病などでも認められ,とくに老人のうつ病にみられやすいと強調した.最近の仮性痴呆の概念は,Kiloh1),Wells2)の定義にあるように痴呆によく似た状態をいい,とくに老人のうつ病の際の痴呆様症状を指していることが多いようで,本稿では,老人のうつ病性仮性痴呆を中心に述べ,Ganser症候群についてもふれる.

検査でどこまでわかるか

治せる痴呆をみつけるための検査指針

著者: 山本光利

ページ範囲:P.2100 - P.2103

 痴呆の診断基準としては現在のところDSM-III-Rが最も広く使用されているが,痴呆をひき起こす他のすべての特異的な原因が除外されることが診断基準の必須項目に掲げられている.このように痴呆の診断においては,身体疾患や器質性脳障害に伴って生じた意識障害や痴呆類似状態や,心因反応性やうつ病性の仮性痴呆様状態などの治療可能な痴呆症状を呈する疾患(いわゆるtreatable dementia,図1参照)との鑑別作業が必須である.
 老年痴呆患者の診断において特異的な変化を示す臨床検査項目は,現在までのところ利用できるものとしてはない.このため,臨床経過,症状および徴候の評価と,各種検査の組み合わせによる結果(図1)を総合して,治療可能な痴呆状態か,不可能な痴呆症かの診断を行うことになる.図2にこの過程を示す.

CT,MRI

著者: 千葉一夫 ,   濱本真 ,   宮崎徳蔵 ,   内山真 ,   一瀬邦弘 ,   田中邦明

ページ範囲:P.2106 - P.2113

 痴呆に特異的なCT(Computed Tomography),MRI(Magnetic Resonance Imaging)の所見はない.しかしCT,MRIの診断上注目すべき所見は,脳の萎縮,脳の白質の変化,その他(鉄沈着など)である1)

SPECT

著者: 小松本悟 ,   奈良昌治 ,   天野隆弘 ,   高橋慎一

ページ範囲:P.2115 - P.2118

 SPECT(Single Photon Emission CT)は比較的容易に3次元的な脳血流情報が得られるため,近年急速に普及している.本稿ではSPECTについて概説し,臨床応用への問題点について述べる,さらに自験例を供覧する.
 123I,133Xe,99mTcなどの核種は,崩壊するときに1つのphotonを放出する.この放射性同位元素でラベルしたtracerを生体内に投与し,体外より測定し画像化したのがSPECTである.設備と測定も比較的容易であることより,最近急速に普及した.SPECTに用いられるtracerには,現在以下のようなものがある.133Xe,N-isopropyl-(123I)-p-iodoamphetamine(1231-IMP),99mTc-hexamethyl-propyleneamine oxime(99mTc-HMPAO),N,N,N'-trimetyl-N'-(2-hydroxy-3-methyl-5-(123I)-iodobenzyl)-1,3-propanediamine 2 HCL(123I-HIPDM),99mTc-ethylcysteinate dimer(99mTc-ECD)など,次々と新しい核種が開発され,手軽に局所脳循環の指標が得られるようになった.

PET

著者: 福山秀直

ページ範囲:P.2119 - P.2123

 痴呆の画像診断の有用性が評価されはじめたのは,アルツハイマー病において特異な脳血流,脳ブドウ糖代謝パターンが認められてからである.痴呆は一般に前頭葉の機能低下によるものであると以前は考えられていたが,アルツハイマー病では周囲から記銘力障害に気づかれるような時期には頭頂葉から側頭葉にかけての脳神経機能の低下がみられる1).また,他の痴呆を生じる疾患では異なった代謝パターンを示すため,痴呆の鑑別診断においても有用性が認められてきている.

電気生理学的検査

著者: 柿木隆介

ページ範囲:P.2125 - P.2127

 知的機能の障害と大脳の形態学的異常の程度は,必ずしも一致しない.痴呆が大脳機能の生理的異常によるものと考えるならば,脳波をはじめとする電気生理学的検査の重要性は自明のことであろう.本稿では,痴呆を呈する各種疾患の電気生理学的所見をまとめてみたい.

血液・脳脊髄液の生化学的検査

著者: 飯島節

ページ範囲:P.2128 - P.2129

 今日の臨床医学において,血液生化学的検査はきわめて重要な位置を占めている.しかし,中枢神経系は血液脳関門により循環する血液から隔てられているため,中枢神経疾患における血液検査の有用性には限界がある.一方,脳脊髄液からは血液脳関門の内側の貴重な情報を得ることができるが,髄液は血液ほど自由には循環していないので,そこから得られる情報は脳全体を正しく反映するとは限らない.とはいえ,血液や髄液の検査は患者に与える侵襲がきわめて少ないという大きな利点があり,痴呆疾患の診断にもおおいに活用されるべきである1)

薬物療法のポイント—その効果と限界

痴呆に対する薬物療法の注意事項

著者: 葛原茂樹

ページ範囲:P.2131 - P.2137

 今日わが国において,原因の如何を問わず,痴呆症状に対して最も多く使用されているのは,脳循環代謝改善薬と呼ばれる一群の薬物である.近年,老年人口の増加につれてこれらの使用量は増加し,その消費額は,今や抗生物質,抗癌剤,降圧剤に迫りつつあると言われている.しかし,これらの薬物は,もともと脳卒中慢性期の精神症状に対して一定の効果が認められているもので,痴呆症状そのものに対して有効性が確認されているものはない.それにもかかわらず,わが国では多くの老年者に,まるで栄養剤のように,多剤が長期にわたって投与されているのが実状である.さらに,近年,これらによる重篤な副作用が大きな問題となったことも記憶に新しい.
 本項では,まず現在市販されている脳循環代謝改善薬の種類と特徴を概観した上で,従来の使用法の問題点を検討し,正しい使い方と使用上の注意について解説したい.

脳循環代謝改善薬の使い方

著者: 葛原茂樹

ページ範囲:P.2138 - P.2139

 脳循環代謝改善薬には数多くの種類があり,さらに毎年,数種の新薬が発売されている.これは,高齢化社会を迎えたわが国において,これらの適応となるような老人性慢性脳疾患患者が増加していることの反映であると同時に,痴呆や脳卒中後遺症に真に有効な薬物が未だ現れていないことをも意味する.しかも前項で述べたように,このような薬物が大量に使用されているのは,先進国の中ではわが国だけという特殊事情もある.
 本項では,これらの薬物を実際の臨床場面でどう使うべきかについて述べる.具体的な薬品とその作用や適応症については,前項の「痴呆に対する薬物療法の注意事項」を参照されたい.

痴呆に伴う精神症状の向精神薬療法

著者: 江原嵩

ページ範囲:P.2140 - P.2141

 痴呆とは記銘力低下を基本症状とし,感情,思考,精神活動の発動性,全人格が進行性に退行する疾患であり,その経過中には脳機能の低下の程度,すなわち痴呆の重症度と関連した精神症状が発症する(図).
 その治療には脳代謝賦活剤や脳血管拡張剤が優先されるが,治療効果が乏しい症例では向精神薬が必要となる.向精神薬は脳内神経伝達や各種代謝に抑制的に作用するため,脳機能低下状態にある痴呆には好ましい治療方法ではないが,やむを得ないときもある.向精神薬療法は対症的治療であるため,向精神薬の選択は精神症状の把握にかかっている.また,向精神薬は精神症状の改善には有効であるが,知能低下には無力である.

睡眠障害への対処

著者: 上島国利

ページ範囲:P.2142 - P.2144

●痴呆患者の睡眠障害
 痴呆患者の大部分は老人であり,加齢による睡眠の質・量の変化に加えて,慢性脳器質性障害がさらにその変化を増強している.老人の睡眠の特徴は,①入眠潜時の延長(寝つかない),②中途覚醒が多い,③浅い睡眠が多く,深い睡眠(徐波睡眠)が少ない,④REM睡眠が少ない,⑤徐波睡眠,REM睡眠の出現量のリズムが不明確になる,⑥昼寝,居眠りの増加,などで特徴づけられる.
 柄澤ら2)の調査では,198名の痴呆患者に認められた随伴精神症状のうち,睡眠障害は20.7%であり最も頻度が高く,それらに対する対処は治療上も看護上も大切である.

問題行動への対処

著者: 早原敏之

ページ範囲:P.2145 - P.2147

 記憶力・判断力の低下や無関心などは痴呆の中核症状であるのに対し,俳徊,興奮や攻撃的態度などの問題行動や幻覚・妄想などの精神症状は痴呆の随伴症状である.随伴症状が続くと介護者は疲労困態し,精神的にも余裕がなくなり,家族・地域の人間関係も気まずくなる.これはたちまち患者へ跳ねかえって,症状悪化,そして入院・入所への直接的契機となる.中核症状への治療があまり期待できない現状では,随伴症状への対応が治療の大部分を占めることとなる.
 一方,これらの問題行動は痴呆患者に伴いやすいものの特異的ではなく,これら問題行動のみをもって痴呆と考えてはいけない.

開発中の抗痴呆薬の最近の話題

著者: 吉田充男

ページ範囲:P.2148 - P.2149

●はじめに(向セロトニン剤を含む)
 1989年11月,第2回アルツハイマーとパーキンンン病の国際会議で最後のround table discussior(Plenum Press1)より1990年中に発刊予定)の司会の1人を筆者が担当した.その中で,痴呆では国際的に知名度の高いGottfriesの強調していた点を紹介する.“痴呆の患者が医師のところにくるのは,記憶・学習障害が始まった時点ではない.妄想・幻覚,興奮,不安,うつ状態などのために周囲の人達に困惑が現れてからである.したがって,この時点では,これら層情障害に対する治療が優先する.中でも,セロトニンの再取り込み阻害剤であるcitalpramが有効である”.
 このように,痴呆患者の現実の治療は,感情障害に対するものであって,知能や記憶の障害に対するものではないとGottfriesは強調し,多くの臨床家もこれに同調したのは印象的であった(citalpramはわが国では使用されていない.また向セロトニン剤は,近く外国の企業のものが治験に入る可能性がある).

痴呆患者のケアと社会的対策

痴呆老人への接し方

著者: 森松光紀

ページ範囲:P.2152 - P.2153

 痴呆老人への接し方には,①医師,②ナースおよびパラメディカル要員,③家族,の立場はあるが,基本的な考え方は共通する.それは,痴呆という人格崩壊状態にある患者に対しても,同じ人間としての尊厳を認めるという倫理感である.
 まず最初に,大部分の痴呆は治らないことを理解すべきである.したがって,患者に対してはケアが中心になり,薬物治療はあくまでも副次的である.ケアの基本的理念を示すと,
 1)患者によい生活環境を提供し,できるだけ生活の質を低下させない.
 2)記憶や高次大脳機能は早期から失われるが,情動機能はかなり長く保たれる.したがって,情動面での保護・支持が大切である.
 3)患者への再教育,説得,叱責は無意味であり,受容的・支持的に対応する.
 4)身体的条件の悪化は痴呆を増強し,一方,その改善は精神機能にもよい影響を与える.
 5)介護家族への配慮が不可欠である.

地域サービス

著者: 伊藤淑子

ページ範囲:P.2154 - P.2155

 1980年代の終わりから90年代にかけて,痴呆性老人のための医療・福祉サービスは,飛躍的に増大しようとしている.供給主体や供給方法も異なるこれらのサービスを,その受け手の側に立ちながら整理を試みた.

21世紀に向けての社会的対策—行政の立場から

著者: 伊藤雅治

ページ範囲:P.2156 - P.2157

 わが国の在宅の痴呆性老人数は,昭和60年時点で12都道府県市の調査結果に基づく年齢階級別の出現率をもとに約60万人と推計した.人口の高齢化の進展に伴い,平成12年(西暦2000年)には約110万人程度に増加すると見込まれている(表).このため厚生省では総合的な痴呆性老人対策の確立を図るため,昭和61年8月,省内に「痴呆性老人対策推進本部」を設置し,本格的な対策に着手した.その後平成2年度から「高齢者保健福祉推進10力年戦略」が実施に移されており,痴呆性老人や寝たきりなど介護を要する老人に対する保健福祉サービスの強化が図られている.

鼎談

痴呆をめぐって

著者: 池田久男 ,   山本纊子 ,   小川紀雄

ページ範囲:P.2158 - P.2169

 小川(司会) 今日は主に内科の第一線で仕事をなさっておられる先生方のために,アルツハイマー型老年痴呆と脳血管性痴呆を中心に,痴呆をめぐるお話を裏話的なことを含めていろいろ伺っていきたいと思います.

カラーグラフ 冠動脈造影所見と組織像の対比・20

CABG施行後,5年以上経過したグラフトの形態学的変化

著者: 堀江俊伸

ページ範囲:P.2172 - P.2174

●CABG施行後,5年以上経過したグラフトの形態学的変化
1.自験例の検討
 本邦においてはCABG施行後5年以上経過した長期観察例に対して系統的に組織学的検討を行った報告はほとんどみられていない.そこで当院においてCABG施行後5年以上経過し,剖検または再手術においてグラフトを摘出した12例について検索した.12例の内訳は剖検2例,再手術10例であり,後者はグラフトの閉塞および高度の狭窄のため再手術時にグラフトを摘出した.
 グラフトを摘出した12例を組織学的に以下の3型に分類した.1)内膜肥厚が軽度のもの2例,2)血栓の器質化による完全閉塞5例,3)粥腫の沈着が高度のもの5例であった.

演習

目でみるトレーニング

ページ範囲:P.2176 - P.2181

内科専門医による実践診療EXERCISE

発熱,咳嗽,息切れ/胸痛,発熱

著者: 植竹健司

ページ範囲:P.2183 - P.2186

 65歳の男性,自動車部品工場勤務.喫煙歴:10本/日.家族歴:特記すべきことなし.既往歴:肝硬変があり,8年前よりfollow upされている.入院の3日前より,38℃の発熱と痰を伴わない咳嗽があり来院.胸部X線写真で肺炎と診断され,入院した.
 理学所見:身長160cm,体重65kg.血圧150/70mmHg,体温39.2℃,脈拍90/分整.右前胸部および右背部でcoase crackleを聴取する.心音には異常なし.腹部:右肋骨弓下2横指肝臓を触知し,腹水の貯留を認める.下肢に浮腫を認める.そのほかには,特に異常は認めない.

講座 図解病態のしくみ 膠原病・3

膠原病理解のために(抗核抗体)

著者: 高峰芳成

ページ範囲:P.2192 - P.2201

 抗核抗体(antinuclear antibody;ANA)は有核細胞の核成分に対する自己抗体の総称で,全身性エリテマトーデス(SLE)をはじめとする膠原病類縁疾患で高率に検出される.その対応抗原は,DNA, RNAなどの核酸,ヒストンおよび非ヒストン酸性核蛋白などの蛋白で,今日数多くの抗原抗体系が報告されている1).これらの抗体は膠原病の病態との関連で注目されていると同時に,特定の疾患や病像と相関するものを数多く認め,診断や治療の指標として日常診療の場で重要な位置を占めている.本稿では対応抗原別に抗核抗体を分類し,これらの検出法とその結果の解釈,ならびにその臨床的意義について述べる.

循環器疾患診療メモ

食事による血行動態変化

著者: 高尾信廣 ,   山科章

ページ範囲:P.2188 - P.2190

 心疾患や高血圧患者の入院中のケア上,食事は大切な問題である.しかし実際には食事に関してあまり多くの関心が払われていないし,いろいろなデータも少ない.そこで今回は,食事が血行動態に及ぼす影響について考えてみたい.

基本情報

medicina

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1189

印刷版ISSN 0025-7699

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