文献詳細
文献概要
今月の主題 ベッドサイドの痴呆学 痴呆へのアプローチ
痴呆とは何か—overview
著者: 萬年徹1
所属機関: 1東京大学医学部・神経内科
ページ範囲:P.2030 - P.2034
文献購入ページに移動 痴呆に関係した多くの問題が間断なく取り上げられ,話題となっている.いずれの雑誌でも「高齢化社会」に付随する問題として捉えられているようである.それも1つの要因であろうが,精神科領域の人々ばかりでなく,神経内科や老年科の人々が「痴呆」を自分達の問題としてみるようになったのも見逃すことのできない要素となっている.
「痴呆」といった場合,老年期にみられる脳機能の荒廃状態,すなわち老年痴呆を意味すると解釈されるけれども,痴呆という言葉は脳の疾患によって生ずる1つの症状,または状態であることを忘れてはならない.痴呆を取り上げた教科書のいずれをみても鑑別疾患が多数並べられてあるのもこのゆえである.
「痴呆」といった場合,老年期にみられる脳機能の荒廃状態,すなわち老年痴呆を意味すると解釈されるけれども,痴呆という言葉は脳の疾患によって生ずる1つの症状,または状態であることを忘れてはならない.痴呆を取り上げた教科書のいずれをみても鑑別疾患が多数並べられてあるのもこのゆえである.
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