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文献詳細

雑誌文献

medicina27巻11号

1990年10月発行

文献概要

今月の主題 ベッドサイドの痴呆学 薬物療法のポイント—その効果と限界

痴呆に対する薬物療法の注意事項

著者: 葛原茂樹1

所属機関: 1三重大学医学部・神経内科

ページ範囲:P.2131 - P.2137

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 今日わが国において,原因の如何を問わず,痴呆症状に対して最も多く使用されているのは,脳循環代謝改善薬と呼ばれる一群の薬物である.近年,老年人口の増加につれてこれらの使用量は増加し,その消費額は,今や抗生物質,抗癌剤,降圧剤に迫りつつあると言われている.しかし,これらの薬物は,もともと脳卒中慢性期の精神症状に対して一定の効果が認められているもので,痴呆症状そのものに対して有効性が確認されているものはない.それにもかかわらず,わが国では多くの老年者に,まるで栄養剤のように,多剤が長期にわたって投与されているのが実状である.さらに,近年,これらによる重篤な副作用が大きな問題となったことも記憶に新しい.
 本項では,まず現在市販されている脳循環代謝改善薬の種類と特徴を概観した上で,従来の使用法の問題点を検討し,正しい使い方と使用上の注意について解説したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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