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今月の主題 STROKE—脳卒中診療のポイント 脳卒中診療の基礎知識
脳卒中の病型分類と成因
著者: 山口武典1
所属機関: 1国立循環器病センター・内科脳血管部門
ページ範囲:P.2386 - P.2388
文献購入ページに移動 脳卒中の分類に関しては,米国NIHのAd HocCommittee(1958年)によって作成された分類1),それを基準とした文部省研究班(1961年)の分類2)が長年に亘って用いられてきた.その後,1975年にNIHによる改訂版3)が報告されたが,これはきわめて多面的に構成されており,すべてが病型の分類ではなく,①臨床病期,②病態生理(発症機序),③解剖学(血管別,障害部位別),④病理学(血管病変別,脳病変別),⑤臨床的事象(病歴,所見,一般検査,神経放射線学的検査,その他の特殊検査),⑥患者の状態(障害の程度,日常生活動作の程度別)の6つのカテゴリーについて,詳しく記述されている.この分類で新しいことは,「無症候性」の項目が加わったことと,臨床病期による分類にRINDが加えられ,症候消失までの期間を“3週間以内”と定められたことであった.しかし,その内容がやや詳細に亘りすぎ,やや実用性に乏しい感があった.
1990年4月に報告された第3版4)では,第2版の①臨床病期,②病態生理,③解剖学の3つのカテゴリーを組み合わせた,きわめて理解しやすい,簡潔な臨床病型(Clinical Disorders)の分類がなされている.
1990年4月に報告された第3版4)では,第2版の①臨床病期,②病態生理,③解剖学の3つのカテゴリーを組み合わせた,きわめて理解しやすい,簡潔な臨床病型(Clinical Disorders)の分類がなされている.
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