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文献詳細

雑誌文献

medicina27巻13号

1990年12月発行

文献概要

今月の主題 STROKE—脳卒中診療のポイント 脳卒中の診断

頸動脈病変の非侵襲的診断法

著者: 星野晴彦1

所属機関: 1東京都済生会中央病院・神経内科

ページ範囲:P.2428 - P.2430

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●脳梗塞の成因・予防治療における頸動脈病変の意義
 内頸動脈起始部は動脈硬化の好発部位であり,頸部皮下数cmと浅いところを走行しているために,内膜摘除術による手術的な治療が可能な部位である.
 内頸動脈起始部で動脈硬化に伴い内膜肥厚によるplaque形成が起こりやすい原因は明らかにはされていないが,内頸動脈起始部は狭窄のない正常でも渦流を呈しており,その複雑な血流動態によって生ずるshear stressによる微小な障害の繰り返しが,plaque形成の1つの原因と考えられている.plaqueの脳卒中の成因に及ぼす機序としては,狭窄による血流不全によるもの(hemodyna-mic effect)と,artery-to-arteryの塞栓源としての2つが重要である.狭窄病変が直径にして50%,内腔面積にして75%以上の狭窄になると,末梢の血流低下が起こるとされている.また,plaqueは経時的に次第に大きくなるのみならず,縮小することも報告されている.さらに,plaqueは大部分は比較的安定したものであるが,plaque内出血や潰瘍形成により,急激に狭窄の程度が増したり,さらには血管を閉塞させる機転が推定されている.このため,経時的なplaqueの変化をとらえ,さらにその性状を詳細に知ることが,脳卒中の病態を解明・予防する上で重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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