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文献詳細

雑誌文献

medicina27巻13号

1990年12月発行

文献概要

今月の主題 STROKE—脳卒中診療のポイント 脳卒中:病型別の臨床

Lacunar strokeの診断と治療

著者: 早川功1

所属機関: 1川崎市立井田病院・神経内科

ページ範囲:P.2436 - P.2438

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●lacunar strokeの概念
 lacunaとは,本来病理学的用語であり,ラテン語で小さい空洞を意味する.剖検では直径15mm以下の不規則な空洞を伴った梗塞巣としてみられる.1965年,Fisherは1)lacunaを臨床病理学的に検討し,lacunaによる脳梗塞発作をlacunarstroke(LS)とよび,独立したclinical entityとしてはじめて臨床の場で用いた.当初LSは,特徴的な臨床症候を示す病型として,Pure motor hemiplegia(PMH),Pure sensory stroke(PSS),Homolateral ataxia and crural paresisのちにAtaxic hemiparesis(AH),Dysarthria clumsyhand syndromeのいわゆるclassical lacunar syndromes(CLS)と呼ばれる4つに分けられた.その後LSは諸家の関心を集め,さらに進んだ臨床病理学的およびCT導入による臨床検討がなされ,Fisherはこれらの成績をまとめ2),1982年にlacunar syndromesとして21型の病型に分類し(表),lacunaによる特徴的な神経症状を呈する脳梗塞がいかに多いかを指摘している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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