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文献概要
今月の主題 STROKE—脳卒中診療のポイント 脳卒中:病型別の臨床
Lacunar strokeの診断と治療
著者: 早川功1
所属機関: 1川崎市立井田病院・神経内科
ページ範囲:P.2436 - P.2438
文献購入ページに移動lacunaとは,本来病理学的用語であり,ラテン語で小さい空洞を意味する.剖検では直径15mm以下の不規則な空洞を伴った梗塞巣としてみられる.1965年,Fisherは1)lacunaを臨床病理学的に検討し,lacunaによる脳梗塞発作をlacunarstroke(LS)とよび,独立したclinical entityとしてはじめて臨床の場で用いた.当初LSは,特徴的な臨床症候を示す病型として,Pure motor hemiplegia(PMH),Pure sensory stroke(PSS),Homolateral ataxia and crural paresisのちにAtaxic hemiparesis(AH),Dysarthria clumsyhand syndromeのいわゆるclassical lacunar syndromes(CLS)と呼ばれる4つに分けられた.その後LSは諸家の関心を集め,さらに進んだ臨床病理学的およびCT導入による臨床検討がなされ,Fisherはこれらの成績をまとめ2),1982年にlacunar syndromesとして21型の病型に分類し(表),lacunaによる特徴的な神経症状を呈する脳梗塞がいかに多いかを指摘している.
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