icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina27巻2号

1990年02月発行

文献概要

今月の主題 消化器診療のcontroversy 胃・十二指腸疾患

長期維持療法で胃・十二指腸潰瘍の再発予防は可能か?

著者: 安海義曜1 西元寺克禮1

所属機関: 1北里大学医学部・内科

ページ範囲:P.208 - P.211

文献購入ページに移動
 H2受容体拮抗剤(以下,H2-B剤と略)の登場によって,消化性潰瘍の治療は,治癒率80〜90%以上とほぼ満足のいく成績が得られているが,H2-B剤中止後の再発が多く,その一因としてacid rebound現象および防御因子の低下などが指摘されていた.これに対して否定的な意見も多く,Ippoliti(1983)は,大量の制酸剤投与で十二指腸潰瘍をH2-B剤と同程度の高い治癒率を得たのち,投与中止後にも高率な再発を認めており,中止後の再発はH2-B剤特有のものではないようであるが,いずれにしても消化性潰瘍は古くから“oncean ulcer, always an ulcer”と表現されるように再発および潰瘍症離脱に関して宿命的な難問を抱えた疾患である.
 本稿では,長期維持療法で消化性潰瘍の再発予防が可能か否か,また,H2-B剤の維持療法のもたらしたcost benefitはいかなるものかについて述べたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?