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文献詳細

雑誌文献

medicina27巻2号

1990年02月発行

文献概要

今月の主題 消化器診療のcontroversy 膵疾患

急性膵炎の薬物療法は予後を改善できるか?

著者: 中野哲1

所属機関: 1大垣市民病院・消化器科

ページ範囲:P.252 - P.254

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●急性膵炎の診断と治療
 1.急性膵炎の診断
 本症の正確な診断は,開腹して膵を直接観察しない限り,必ずしも容易でない.1987年,厚生省特定疾患難治性膵疾患調査研究班が急性膵炎臨床診断基準として,「1)上腹部に圧痛あるいは腹膜刺激徴候を伴う急性腹痛発作がある.2)血中,尿中あるいは腹水中に膵酵素の上昇がある.3)画像,手術または剖検で膵に異常がある,の1)を含む2項目以上を満たし,他の急性腹症を除外したものを急性膵炎とする」と提唱した.無痛性急性膵炎とか,膵酵素の上昇が体液でみられない膵炎など,例外的なものもあるが,一応,臨床診断基準が作成されたことは大きな進歩である.
 なお,本症は成因や重症度により,臨床経過,予後は著しく異なるので,できれば重症度と成因をなるべく併記するのが望ましい(例:重症急性胆石膵炎).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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