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文献詳細

雑誌文献

medicina27巻2号

1990年02月発行

文献概要

今月の主題 消化器診療のcontroversy その他

各種腫瘍マーカーによる消化器癌の早期診断は可能か?

著者: 大倉久直1 斎藤大三1 岡崎伸生1 田尻久雄1 尾崎秀雄2 菅野幸吉3

所属機関: 1国立がんセンター病院・内科/臨床検査部 2国立がんセンター病院・外科 3慶応大学医学部・一般外科

ページ範囲:P.284 - P.288

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 腫瘍マーカーの研究は,1964年にカナダのGoldとFreedmannによる癌胎児性蛋白抗原(carcinoembryonic antigen, CEA)の発見と,ソ連のAvelevとTatarinovによるアルファ1胎児蛋白(alpha 1-fetoprotein, AFP)の報告によって大きく発展した.
 当時から腫瘍マーカーへの臨床家の期待は癌の早期診断と正確な癌細胞のモニターにあったが,われわれが手にしたマーカーのほとんどは正常細胞や一部の良性細胞,胎児の細胞でも作られるものであった.そのため,血清中の腫瘍マーカー値は正常人でもゼロではない.この平常値は各個人によって違っているが,1人1人についてはいつも一定の範囲にある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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