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カラーグラフ 非観血的検査法による循環器疾患の総合診断
僧帽弁の変形と穿孔により2種類の拡張期雑音を認めた僧帽弁狭窄症の1例
著者: 福田信夫1 大木崇1 井内新1 小川聡1 篠原尚典1 森博愛1
所属機関: 1徳島大学医学部・第2内科
ページ範囲:P.302 - P.310
文献購入ページに移動1)心音図(図2)
心尖部(Apex,上段)および第3肋間胸骨左縁(3L,下段)の心音図記録における異常所見は,①I音の亢進と高調な僧帽弁開放音(OS)の存在,②II音肺動脈弁成分(IIP)の亢進,③Apexにおける低周波成分優位の拡張期雑音〔DM(1)〕,および④3Lの高調な拡張期雑音〔DM(2)〕,の4点に集約できる.
亢進したI音と高調なOSは,弁腹部の可動性が良好な僧帽弁狭窄の存在を示唆する.また,Q-I時間(70msec)とII-OS時間(55msec)を用いて算出されるWells indexは+1.5であり,中等度の左房圧上昇を考える必要がある.
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