icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina27巻3号

1990年03月発行

検査

検査データをどう読むか

著者: 松野一彦1 小林正伸2 森岡正信2 桜田恵右2 宮崎保2

所属機関: 1北海道大学医学部付属病院・検査部 2北海道大学医学部付属病院第3内科

ページ範囲:P.534 - P.538

文献概要

 症例:60歳,女性.主訴は発汗過多および結膜充血.既往歴・家族歴に特記すべきことなし.現病歴:57歳頃から腰痛,発汗過多,結膜の充血,顔面紅潮に気づいていたが放置していた.昨年夏頃から,手指,肘関節痛が出現し,近医にて肝腫大も指摘された.本年9月近医受診時に赤血球増多を指摘され精査のため当院第3内科に入院となる.入院時現症:血圧150/90mmHg,脈拍96/分整,顔面紅潮,結膜充血あり.表在リンパ節腫大なし.胸部は心・肺異常なし.腹部では,肝を3横指,脾を2横指触知.神経学的異常なし.出血傾向も認められない.入院時検査所見(表1):赤血球数731×104/μl,血色素22.5g/dl,Ht67.3%,と赤血球増多を示し,白血球数,血小板数も軽度増加していた.骨髄は過形成で,赤血球系,白血球系,巨核球系の3系統とも増加していた.染色体検査ではPh1染色体陰性.好中球アルカリフォスファターゼは高値であった.尿蛋白陽性,RA陽性だが,LEテスト,抗核抗体は陰性であった.生化学検査では,LDHが高値,Al-pも軽度高値であった.ガス分析では,O2飽和度92%で,51Cr標識法による循環赤血球量は,71.5ml/kgと高値であった.血清ビタミンB12は高値であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら