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雑誌目次

雑誌文献

medicina27巻4号

1990年04月発行

雑誌目次

今月の主題 白血病—最新の知見と治療

(editorlal)白血病—最新の知見と治療

著者: 大野竜三

ページ範囲:P.556 - P.556

 白血病は骨髄中において,造血細胞が腫瘍化すなわち白血病化する疾患である.典型的なものは,成熟能力を失った幼若芽球が自律性に無制限に増殖するので,腫瘍として容易に理解し得る.しかし,成熟能をもちながらも正常機能を発揮するほどには成熟しきらず,かつ,形態学的にも異常を示す異型変性(dysplasia)も,腫瘍性変化という意味で広義の白血病の範疇に入り,近年,myelodysplastic syndromesとして包括されているが,その白血病化の過程の違いは十分解明されていない.
 また,慢性骨髄性白血病(CML)では骨髄球,後骨髄球といった未熟白血球が末梢血中にみられるのに,慢性好中球性白血病では成熟好中球が増加するのみであり,そのあたりのメカニズムもまだまだ不明である.紛らわしい用語に白血性・白血化(leukemic)がある.悪性リンパ腫の白血化したものと,急性リンパ性白血病の明確な定義もない.近年明らかにされた単クローン抗体および遺伝子によるリンパ球の成熟過程の細胞形質の解析結果に基づき,白血病が骨髄中での腫瘍性変化と限定して,リンパ球の正常成熟過程で骨髄中にとどまる段階までの細胞の腫瘍化を白血病と定義し,T細胞・B細胞へ分化した後の腫瘍化をすべて白血性悪性リンパ腫とすれば,かなり明確になると思われる.

今月のabbreviation

著者: 大野竜三

ページ範囲:P.557 - P.557

ACNU nimustine hydrochrolide
ALl acute Iymphoblastic (or lymphocytic) leu-kemia

白血病細胞の起原と分化

著者: 高久史麿

ページ範囲:P.558 - P.561

●白血病と造血幹細胞
 白血病は他の悪性腫瘍と同様に血液細胞が自律的な増殖を行うとともに,本来の造血器である骨髄以外の部位においても増殖することを特徴としている.しかしながら白血病の示す血液所見はその各型によって著しく異なり,白血病細胞の形態によって急性白血病はFAB分類の各型に,また慢性白血病も骨髄性・リンパ性の2つの型に分けられることは周知のごとくである.
 他の臓器の悪性腫瘍が比較的限られた細胞学的な特徴を示すのに反して,白血病細胞がきわめて多彩な特徴を示す理由として,各系統の血球が未分化な造血幹細胞から分化増殖してくることがあげられる.すなわち各血球は図に示すごとく最も未分化な多能性の造血幹細胞(pluripotent stemcell)から分化増殖し,その過程に図に示したごとき各種の造血因子が関与している.したがって造血細胞が腫瘍化した場合,その細胞が図に示したいろいろな分化段階の血球の形態を示してもよいはずである.

疫学と病態

日本人白血病の発生頻度と病型分布

著者: 鈴木久三

ページ範囲:P.562 - P.563

 近年,小児急性リンパ性白血病をはじめとする急性白血病の治療成績の向上に伴い,治癒症例も増加してきたため,白血病の発生頻度を死亡率で推し量ることは必ずしも妥当ではないが,他に本邦の白血病症例を網羅する調査はないので,まず死亡率の推移をみたのち,専門施設における病型分布につき述べる.

染色体異常

著者: 鎌田七男 ,   武地美保

ページ範囲:P.564 - P.565

 白血病における染色体異常は白血病細胞形態とよく相関するため,確定診断の1つとなっている.また,特徴ある染色体異常は,白血病の成り立ちや病態追究の重要なマーカーになるとともに,治療効果の判定さらには予後の推定も可能となっている.白血病における染色体研究の最新の知見といえば,分子生物学的手法により,染色体異常の内容が分子レベルで明らかにされてきている点で,染色体転座に伴う遺伝子の相互転座の結果としてのhybrid遺伝子の証明がなされてきた.
 本稿では,染色体にまつわる最近の知見について述べてみたい.

白血病と癌遺伝子

著者: 池田健 ,   川上恵基 ,   北堅吉

ページ範囲:P.566 - P.567

 癌遺伝子とは,細胞を癌化しその状態を維持する蛋白質を指令する遺伝子のことであり,血液学研究においても,Philadelphia(Ph1)染色体陽性白血病におけるc-abl遺伝子や,Burkittリンパ腫(BL)におけるc-myc遺伝子など染色体異常に伴い活性化される例や,ras遺伝子にみられる点突然変異による活性化などがよく知られている.このような疾患特異的に変化をきたすものは,Polymerase Chain Reaction(PCR)法など分子生物学的応用を行うことにより臨床的価値をも獲得しつつある.ここでは,解析の進んでいる数種の癌遺伝子につき概説する.

Ph1染色体とBCR遺伝子

著者: 大屋敷純子 ,   大屋敷一馬 ,   外山圭助

ページ範囲:P.568 - P.570

 ●BCR遺伝子
 1984年,Croffenらが慢性骨髄性白血病(chronic myelogenous leukemia;CML)患者のPh1染色体から5.8KbのDNA sequenceをクローニングしてbreakpoint cluster region(bcr)と名付けてから今日に至るまで,若干の用語の混乱があった1).すなわち,Ph1転座によって切断されるDNA部分は,当初Groffenらがクローニングしたbcrよりはるかに長いDNA sequenceであることが明らかになり,今日ではPh1陽性急性白血病における切断点も含めて,BCRという名称で統一されている.
 本稿では,GaleとGoldmanの提唱に従って,CMLにおいて多くみられる切断点をmajor breakpoint cluster region(M-BCR:bcrに相当),M-BCRより5´側の切断点をminor breakpoint cluster region(m-BCR)と統一して,その臨床的意義について述べたい2)

残存白血病の診断

著者: 清井仁 ,   直江知樹

ページ範囲:P.571 - P.574

 近年化学療法の進歩により,急性白血病の完全寛解率は80〜90%に達している.しかし,寛解症例においても,その約8割は再発をきたし治癒を得られずにいるのが現状である.
 急性白血病の完全寛解は,白血病細胞の末梢血中よりの消失と,骨髄における5%以下の減少,および正常造血能の回復によって定義され,いわばみかけ上の骨髄機能の正常化を意味するにすぎない.一般に急性白血病初診では,体内に1012レベルの白血病細胞があるとされ,寛解時でも,従来の骨髄血スメア標本では検出不可能な白血病細胞が108レベルで残存していると推定され,この微少残存白血病細胞をいかに高感度で検出し根絶させうるかが急性白血病の治癒を得る重要なポイントとなり,さらには白血病再発の早期発見へとつながる(図1).

治療

成人急性骨髄性白血病の治療

著者: 大野竜三

ページ範囲:P.576 - P.579

 急性白血病は近年の化学療法や骨髄移植療法の進歩により,治癒可能な疾患となっており,治癒を目指した治療がなされるべきである.急性白血病に治癒をもたらすには,完全寛解に導入することが第1条件であることはいうまでもないが,寛解到達後,地固め療法や維持・強化療法があって始めて,白血病に治癒をもたらし得る.

成人急性リンパ性白血病の治療

著者: 竹内仁 ,   大島年照

ページ範囲:P.581 - P.583

 成人の急性リンパ性白血病(ALL)の治療成績は,小児のそれに比べて劣っている.すなわち,小児での5年無病生存率は50%を越えようとしているが,成人では成績のよいものでも30%程度にすぎない.本稿では,筆者らの試みているLVP-87療法を紹介してみたい.

小児急性骨髄性白血病の治療

著者: 藤本孟男

ページ範囲:P.585 - P.590

 小児期の白血病はほとんどが急性型である.慢性型は1〜2%にすぎない.しかも慢性リンパ性白血病は小児にはみられず,すべてが骨髄性である.成人にみられるものと同じ慢性骨髄性白血病の他に,Phl染色体のない幼若型(juvenile type)がある.これは慢性または亜急性の骨髄単球性白血病と同一視されている.
 小児の急性白血病では80%前後がリンパ性であり,非リンパ性は20%前後と少ない.形態学的特徴に基づくFAB分類は小児例でも用いられる.とくに1歳以下の急性非リンパ性白血病(acute non-lymphoblastic leukemia;ANLL)では単芽球性(monoblastic)のことが多く,染色体異常(11 band q 23)がよくみられる.

小児急性リンパ性白血病の治療

著者: 細谷亮太

ページ範囲:P.592 - P.598

 過去20年ほどの間に,急性リンパ性白血病(ALL)の治療は飛躍的な進歩をとげた.しかし,悪性腫瘍のために死亡する子ども達の死因のトップは,今なお白血病なのである.わが国では毎年約1,000人の子どもが悪性腫瘍で命を失うが,そのうち約450人は白血病である.ここ10年,私達小児悪性腫瘍学を専門とする者がようやく抱き得た「小児のALLは完治させ得る疾患である」という考えは,一部の治療しやすいALLについては正しい.しかし乳児や思春期の子ども達に起こった白血病の約半数から2/3は,最新の治療をもってしても救命し得ず死の転帰をとる.まだまだ先のみちのりは長くけわしいといえよう.この小文では,現在のALLの治療の現状を述べ,その問題点についても触れてみる.

慢性骨髄性白血病の治療

著者: 吉田稔

ページ範囲:P.600 - P.601

 慢性骨髄性白血病(Chronic myelogenous leukemia;CML)はPhiladelphia染色体(Ph1)という独得の染色体異常をもつ多能性幹細胞レベルのclonalhemopathyである.慢性期の典型的な病像は白血球増多と脾腫で,これらは治療により軽快するがPh1は消失せず,最終的には急性転化(急転〉を起こし死亡する.従来の薬物療法による平均生存期間は約3〜4年であったが,近年骨髄移植(Bone marrow transplantation;BMT)により一部の症例で治癒が得られており,さらに現在インターフェロンが新たな治療薬として期待されている.
 本稿ではCMLの生存期間に関与する因子,およびその治療の現状につき概説する

新しい抗白血病剤

著者: 上田孝典 ,   中村徹

ページ範囲:P.602 - P.603

近年,化学療法による急性白血病治療の進歩はめざましく,すでに血液専門施設での急性非リンパ性白血病の完全寛解率は約80%に達しており,治療の目標も完全治癒におかれている.そのための戦略として,薬剤耐性を生じる前に腫瘍細胞を根絶すべく短期大量療法が行われ,また,それにもかかわらず寛解に達しない難治性・多剤耐性白血病の治療が重点的に試みられている.このため,大量投与が可能な,より副作用の少ない薬剤,他剤と交差耐性の少ない薬剤や新しい作用機序を有する薬剤が開発され,臨床に応用されている.本稿では,そのうち,近年開発された代表的薬剤数種につき概説したい

特殊な白血病

Myelodysplastic syndrome(MDS)と周辺疾患

著者: 吉田弥太郎

ページ範囲:P.604 - P.605

 MDSは,原発性に骨髄や末梢血の血球形態の異常(異形成)があって,有効な血球の産生が行われない状態である.骨髄は原則として細胞成分に富んでいるが,末梢血は血球減少を示す.つまり単純な骨髄低形成による血球減少ではなく,無効造血であるとされる所似である.貧血などの血球減少は治療に反応しにくい(不応性貧血ないし不応性血球減少).またMDSは前白血病的性格もあり,しばしば急性白血病へと進展する.異形成と総称される形態異常は,血球分化過程の欠陥を反映するものと考えられ,機能面でも赤血球,白血球,血小板などの機能低下がある(表).血球産生,形態,分化と機能などの異常は,しばしば複数の血球系にみられるので,MDSの本態は多能性造血幹細胞の異常であろう.
 臨床的特徴は,中・高年齢者に多発し,慢性かつ不可逆性に経過し,急性白血病化と骨髄不全(感染や出血)をきたすことである.このようなMDSの概念は,一方では不応性貧血,他方では急性白血病とのそれぞれの境界域を明確にする目的で生まれたものである1).しかし症例の集積によってMDSの不均質性が明らかにされるとともに,周辺疾患との鑑別の困難さも指摘されている.ここでは代表的な周辺疾患との異同を論じたい.

Myelodysplastic syndrome(MDS)の治療

著者: 高橋功 ,   仲田浩之

ページ範囲:P.606 - P.608

 Myelodysplastic syndrome(MDS)の概念が提唱されて以来,本症における病因・病態論的特異性が,造血幹細胞,細胞遺伝学さらに分子生物学的レベルにおいて,徐々にではあるが確実に解明されつつある.一方,治療に関しては,de novo急性白血病における目覚ましい成績に比し,悲観的といわざるを得ず,その背景の1つとして本症が多能性幹細胞レベルで起こったクローナルな造血障害であること,そのため化学療法施行後正常造血の回復がきわめて困難であること,さらに本症が比較的高齢者に多いといった点などがあげられよう.
 今回,これらMDSにおける特異性を念頭におきつつ,治療の現状について概説したい.

成人T細胞白血病の診断と疫学

著者: 麻生範雄

ページ範囲:P.611 - P.613

 成人T細胞白血病(adult T cell leukemia:ATL)はhuman T cell lymphotropic virus typeI(HTLV-I)により発症する成熟T細胞腫瘍で,ウイルスによる発癌機構の解明や感染予防による悪性腫瘍の撲滅の可能性をもつ疾患である.本稿では診断と疫学の面からATLについて概説する.

成人T細胞白血病の治療と予防対策

著者: 田口博國 ,   三好勇夫

ページ範囲:P.614 - P.615

 成人T細胞白血病(ATL)は1976年高月らにより独立疾患として提唱され,沖縄,九州など西南日本に多発し,その原因としてレトロウイルスHTLV-Iの関与が明らかにされた.よい治療法はなく,平均生存期間は3〜5カ月と短く予後不良で,HTLV-I感染の予防対策に重点をおく必要がある.

慢性リンパ性白血病とリンパ腫の関係

著者: 二岐博信

ページ範囲:P.616 - P.617

 造血器悪性疾患においては,白血病の病態をとるものと,リンパ腫のように固形腫瘍の病態をとるものがみられるが,その細胞の生物学的特徴を比較検討しでみると,1つの疾患単位で2つの異なった病態をとっていると考えられるものが数種みられる.その代表的なものが慢性リンパ性白血病(chronic lymphocyticleukemia;CLL)と非ホジキンリンパ腫(non-Hodgkin's lymphoma;NHL)の小細胞型(smalllymphocytic;NHL-SL)の関係である.

Hairy cell leulkemiaとその治療

著者: 木谷照夫 ,   待井隆志

ページ範囲:P.618 - P.619

 Hairy cell leukemia(HCL)はその白血病細胞の特異な形態や細胞性格が世界の血液学者の関心をひき,多くの研究が発表されてきた.わが国ではこの白血病は欧米に比べ極端に少ないため,多数の症例を集めて集中的に研究することは難しいが,症例を集め研究を続けていくうちに,本邦例は基本的にはHCLの診断を満たすものの,いくつかの点で欧米例とは異なった特徴を示すことがわかってきた.

慢性好中球性白血病と骨髄増殖性疾患群

著者: 柴田昭

ページ範囲:P.620 - P.621

●慢性骨髄増殖症候群(CMPD)
 CMPDは1951年Dameshekの提唱によるもので,彼はこの症候群に属する疾患として表の1)〜4)までのものをこれに含ませた.後に,彼自身によって発作性夜間血色素尿症(PNH)も本症候群の候補者として挙げられたが,これは今日否定的である.その後,造血幹細胞の定量法が確立されてから,慢性骨髄単球性白血病(CMMoL)を本症候群の一員として含めようという動きがある.
 近代的な意味での造血幹細胞の概念が出る以前に,このような症候群を提唱したことは,今日からみればまことに卓見であったというべきであろう.Dame-shekがこのような概念に到達するに至った動機は,長年にわたる多数の症例の綿密な検討の結果,次の2点に注目したためである.すなわち,①骨髄はいろいろな刺激に対して,ある1つの細胞系統で反応することはむしろ珍しく,全体(en masse)として反応する性質をもっていること,②表に掲げたような疾患は経過中に相互に移行し得ること,の2点である.その後になって彼は急性骨髄増殖症候群,リンパ増殖症候群という2つの症候群を追加したが,これはあまり一般的にはならなかった.

二次性白血病

著者: 竹中武昭

ページ範囲:P.622 - P.623

 二次性白血病を広義にとらえると,①化学物質や放射線の曝露が誘因と考えられる白血病,②悪性腫瘍の治療中あるいは治療後に異時性重複癌として発症する白血病,③骨髄異形成症候群(MDS),再生不良性貧血,発作性夜間血色素尿症,真性多血症,鉄芽球性貧血などの血液疾患に合併する白血病,④Down症候群,ataxia teleangiectasia,Bloom症候群,Fanconi貧血などの先天性疾患に合併する白血病,⑤骨髄移植後にみられるdonor型の白血病,などが含まれる.とりわけ,悪性腫瘍患者にみられる白血病は最近増加傾向にあり,注目されている1).なかでも一次癌の治療に用いられる放射線や抗癌剤が白血病の発症に強く関与すると考えられる二次性白血病(Therapy-Related Leukemia)では,いくつかの臨床的特徴が明らかにされてきた.本稿では,これを中心に述べたい.

巨核芽球性白血病

著者: 椿和央

ページ範囲:P.624 - P.625

 造血幹細胞の研究によって,多能性幹細胞→骨髄系幹細胞→巨核芽球系前駆細胞→巨核球→血小板系の分化増殖機構が明らかになり,巨核芽球→血小板系由来の白血病がその同定法とともに注目されている.この系の白血病の存在は長い間疑問視されてきたが,その理由は,芽球の同定が困難であったためである.1972年Breton-Goriusらによって,電顕的血小板ペルオキシダーゼ(plateletperoxidase:PPO)が巨核芽球の同定に有用であると報告され,血小板特異抗原であるglycoprotein(GP)に対するmonoclonal抗体の開発が相次ぎ,芽球の同定が可能になってきた.さらに1985年,FABグループにより,これらの2方法を用いて急性非リンパ性白血病(ANLL)の中に巨核芽球性白血病(AMKL:M7)として分類されるようになった.
 本稿ではAMKLの同定,診断,病態および治療について述べる.

高齢者白血病の治療

著者: 小峰光博

ページ範囲:P.626 - P.628

 人口構成の高齢化から,単純計算しても高齢者の白血病が増加しつつあることは容易に理解できる.高齢者の定義にもよるが,成人AMLでは全体の15〜20%は60歳以上の患者で占められるであろう.高齢者では加齢に伴うさまざまな機能変化が累積しているほか,重要臓器系の合併症をすでにもっている可能性が高い.60歳以上では白血病に前駆する造血異常が認められる頻度が高かったり,化学療法の毒性が強く現れ,また白血病細胞自体の薬剤感受性が劣るなど,若年者ではみられない不利な条件があると想定されている.敗血症その他の重症感染に対する耐容力も低下しており,出血・ショックなどからの立直りも不良で脆弱であり,いかにも今日標準的となりつつある強力な化学療法には耐えないとの印象がある.現にそのような苦い経験によって積極果敢な治療意欲が削がれることが多い.実際70歳以上のAMLに対しては,温和な化学療法のみでなく,一般の支持療法も控えるとする極端な考えもないではない.これには患者層全体としての社会活動も考慮した費用-効果関係が強く意識されているのであろう.
 優れた治療成績が出されている患者集団では,しばしば60歳以上の症例が除外されていたり,その比率からみてある種の選択が加わっていると考えられる.最近ではこのような高齢者に焦点を絞り,別個に成績をまとめた報告がみられる.

新しい治療法

CSFと白血病細胞増殖作用

著者: 別所正美 ,   平嶋邦猛

ページ範囲:P.631 - P.633

 Colony-stimulating factor(CSF)は,もともと,造血細胞をin vitroで培養した際に顆粒球とマクロファージからなる細胞集団(コロニー)の形成を促す液性因子として同定されたものであるが,現在では,造血前駆細胞の分化・増殖や成熟血球の機能発現を調節する生理的な物質であると考えられている.
 CSFはその作用の主な標的となる造血前駆細胞の分化レベルに基づいて,multi-CSF(interleukin-3,IL-3),granulocyte-macrophage CSF(GM-CSF),granulocyte CSF(G-CSF),macrophage CSF(M-CSF)などに分けられている.これらCSFはすべて糖蛋白であるが,最近の遺伝子工学技術の進歩により,そのDNAが単離され遺伝子組み換え型CSFの大量生産が可能になり,臨床への応用が期待されている.これらCSFの特徴は表にまとめて示したが,その詳細にっいては他の総説1)を参照されたい.

CSFの白血病治療における役割

著者: 平岡諦 ,   正岡徹

ページ範囲:P.634 - P.636

 CSF(colony-stimulating factor:コロニー刺激因子)のうち,M-CSF,G-CSF,GM-CSFが臨床応用の段階に入っている.ここでは最も検討の進んでいるG-CSFにつき,自験例を中心に述べる.

骨髄移植療法

著者: 南三郎 ,   小寺良尚

ページ範囲:P.638 - P.641

 1970年代の初めにシアトルグループにより開始された白血病における近代的骨髄移植は,当初化学療法不応性の再発時の姑息的な治療法の1つとして出発したが,13%の長期生存率が報告され,治癒を望み得る治療方法として注目された.その後,移植時のclinical scoreと長期生存率が密接に関連していることから,寛解期移植が提唱され,最近の抗腫瘍剤や免疫抑制剤の開発,抗ウイルス剤,抗生物質,サイトカインなどの補助療法の進歩とあいまって良好な移植成績が得られるようになった.しかし骨髄移植後の特有な合併症であるGVHD(graft versus host disease,移植片対宿主病),IP(interstitial pneumonia,間質性肺炎)あるいは白血病の再発は移植成績の向上に依然大きな障害となっており,今後の克服すべき課題である.
 本稿は白血病における骨髄移植の現状,とくに名古屋骨髄移植グループの成績1,2)を中心に述べるとともに,世界の現状3)に言及してみたい.

白血病のbiotherapy

著者: 江崎幸治

ページ範囲:P.642 - P.643

 1969年MathéがBCGまたは放射線照射白血病細胞の投与により,小児ALLの寛解期間の著明な延長を報告して以来,1970年代前半には主としてBCG,C. parvum,白血病細胞などを用いた数多くの免疫療法の試みが白血病に対して実施された.当初の比較的少数例の検討では有効という成績もみられたが,多数症例での厳密な比較対照試験の結果は,対照と差を認めないという成績がほとんどで,1970年代末までには白血病に対する免疫療法には否定的な評価がなされていた.
 1980年代に入り,免疫療法のみではなく,生体のもつ抗腫瘍反応の増強をもたらす薬剤,手技などをBRMと総称し,それを用いた治療,biotherapyが1つの治療概念として認められてきた.これには分子生物学の進歩や細胞融合,遺伝子組み換え技術の導入などによるところが大きく,特異的抗体や,IFN,IL-2,TNF,CSFなど種々のcytokineが純粋の形で大量に産生され,広く臨床に供されるようになったことによる.これらBRMの有する抗腫瘍作用機序は不明の点も多いが,biotherapyが有力な治療法として確立している腫瘍はいくつか知られている.

補助療法

血小板輸血と抗HLA抗体

著者: 森島泰雄

ページ範囲:P.646 - P.648

 白血病,とくに急性白血病の化学療法や骨髄移植療法時には,強力な抗癌剤や放射線療法により患者は一時的に骨髄低形成状態になる.血小板減少に対しては血小板輸血を実施し,出血を未然に防ぐことが重要である.十分な予防的血小板輸血により,血小板の低下を心配することなく十分な寛解導入療法,地固め療法などが実施でき,ひいては完全寛解率,治癒率の向上をもたらしている1).このことから,白血病治療における輸血療法は単なる補助療法というより,最も重要な治療手段の1つといえよう.

DICの治療(各種新抗線溶剤の使い方を含む)

著者: 垣下榮三 ,   樋口光宏 ,   金丸昭久

ページ範囲:P.650 - P.651

 DIC(disseminated intravascural coagulationsyndrome,汎発性血管内血液凝固症)における抗線溶療法については,DICの病態から考えてほとんどその必要性はないと考えられていた.しかし最近APL(acute promyelocytic leukemia,急性前骨髄球性白血病)で,抗線溶療法のみでAPLにおけるDICを抑制したとする報告がみられるようになった.DICの病態を概説し,APLにおけるDICの特徴と抗線溶療法の意義を述べたい.

感染症対策

著者: 今井邦之

ページ範囲:P.652 - P.653

 白血病の感染症対策として,日常の診療上で症例数も多く,頭を悩ませるのは急性白血病の感染症である.したがってここでは,筆者らの病院で行っている急性白血病の感染症の治療および予防対策を中心に述べる.
 近年,急性白血病の治療は強力で,治療成績は向上しているが,これは感染および出血の合併症に対する対策が進歩したことによるところも大きい.補助療法の対策が不十分ならば,最近の急性白血病の治療は行い難い現状である.

白血病患者の一般的管理・栄養療法

著者: 許泰一

ページ範囲:P.654 - P.656

 白血病患者の管理は,治療法や患者の状態によりかなり異なってくる.ここでは白血病の治癒を目的とした強力な化学療法を施行する場合の補助療法,栄養療法について話を進めることにする.

鼎談

成人白血病治療の現況と将来

著者: 朝長万左男 ,   柴田弘俊 ,   大野竜三

ページ範囲:P.658 - P.668

 大野(司会) 今日は「成人白血病治療の現況と将来」ということで,お話を伺っていきたいと思います.今日お集まりの先生方はいずれもこの領域では専門の方ですので,日本および世界における白血病治療の現況を踏まえて,これから進むべき方向や,先生方の今後の白血病治療におけるフィロソフィーなどを,自由に語っていただければと思います.

カラーグラフ 冠動脈造影所見と組織像の対比・14

PTCR後のPTCA(2)

著者: 堀江俊伸

ページ範囲:P.672 - P.674

●PTCR施行後,残存狭窄を認めたためPTCAを施行した例
 症例 76歳,男
 現病歴 7年前に下壁梗塞,4年前にも同じ部位に再梗塞を起こしたため近くの病院へ入院し,退院後も外来通院加療をうけていた.昨年11月,これまでなかった狭心症が出現したため同院へ1週間入院した.退院後,発作はなかったが,入浴負荷で容易に狭心症が誘発されるため胸までわずかにつかる習慣であった.本年2月16日午後6時20分,夕食後に胸痛が出現し,ニトログリセリン2錠舌下でも軽快しないため,午後7時40分救急車にて来院した.

Oncology Round・8

不顕性癌(occult carcinoma)の1例

著者: 片山勲 ,   丸山正董 ,   畑中浩成

ページ範囲:P.683 - P.687

 不顕性癌(occult carcinoma,潜在活動性癌とも訳される)は,転移が出現していながら原発巣を明らかにしえない悪性腫瘍のことで,原発巣不明転移癌(metastatic carcinoma of unknown primary)と呼ばれることも多い.原因不明熱(feverof unknown origin;FUO)が内科診療上の重要な課題であるのと同様に,不顕性癌はoncology診療上の重要な課題のひとつとされている.
 FUOは,38.4℃以上の発熱が3週間以上経過し,1週間以上諸検査を続けるにもかかわらず原因不明の場合を呼ぶというように明確に定義されているが,不顕性癌の定義には諸家の間でかなりの差異が認められる.一般には,リンパ節・骨・肝・皮膚・脳などの生検により癌転移の病理診断が下された患者において,問診,身体検査,胸部X-P,血液検査,尿検査,糞便凝血検査を行ったにもかかわらず原発巣が不明の場合とされている.

演習

目でみるトレーニング

ページ範囲:P.676 - P.682

心電図演習

著者: 上原哲史 ,   石村孝夫

ページ範囲:P.689 - P.692

 57歳の男性が胸痛を訴え来院した.
 患者 57歳,男性
 既往歴 42歳,高血圧症.喫煙40本/日×35年.家族歴 特記するものなし.
 現病歴 15年前より高血圧(180/90mmHg)のため,近医へ通院中であった.胸痛を自覚したことはない.
 入院前日の朝7時,朝食中になんとなく食欲がないのに気付く.ほぼ同時に,胸骨中央の締め付ける感じが出現し,徐々に激しい胸痛となる.冷汗を伴い,居ても立ってもいられない感じであった.胸痛は1日中続いたが我慢した.翌朝には胸痛はかなり軽減したので,近医を受診し,心電図,血液検査の結果,本院CCUへ入院となった.

内科専門医による実践診療EXERCISE

発熱,左胸痛/腹部膨満,発熱/術後化学療法後,動作緩慢,味覚障害,記憶力低下

著者: 泉司郎

ページ範囲:P.695 - P.700

 39歳女性,主婦.既往歴:20歳頃,右胸痛を訴え肋膜炎と言われたことあり,その後,胸部X線写真で右上肺野に空洞を指摘されている.現病歴:5日前より左胸部痛を訴えた.胸痛は労作と関係なく20〜30分持続する痛みで,1日に5〜6回あった.翌日からは37℃台の発熱と血痰の喀出があり,呼吸困難を訴え始めた.左の胸痛は左肩から背部に放散するようになり,臥位になると痛みが増強するようになった.入院時身体所見:体格,栄養は中等度.血圧120/70mmHg,脈拍80/分,呼吸数20/分浅い.体温38.4℃.貧血,黄疸なし.肺野ラ音なし,胸骨左縁第3肋間にLevine 2/6の収縮期駆出性雑音を聴取する.肝脾腫なし,下腿浮腫なし.神経学的所見異常なし.

講座 図解病態のしくみ 循環器疾患・21

心膜炎

著者: 桑子賢司

ページ範囲:P.708 - P.718

 心膜炎は,種々の原因によって生じる心膜の炎症とそれに続発する心嚢液貯留や心膜の癒着,石灰化がもとになって臨床像を形作る疾患である.ここでは病像の理解のために,まず心膜の解剖と機能にっいて述べ,次に急性心膜炎,心タンポナーデ,収縮性心膜炎について述べる.

検査

検査データをどう読むか

著者: 伊藤喜久

ページ範囲:P.704 - P.704

 患者:42歳,主婦.主訴:手足のしびれ,点状出血.家族歴:特記すべきことはない.既往歴:小児の頃しばしば扁桃炎にかかる.13歳敗血症,16歳虫垂炎の疑いで手術を受けてから,以後イレウスの疑いで開腹手術を受け輸血後肝炎に罹る.現病歴:10年以上前から下肢後面に絞握感,膝関節痛を伴って点状出血,紫斑が出現し,とくに冬期,長時間起立していると起こりやすい.昨年からは上肢遠位部〜末端部にも拡大し,膝,手首,肘の関節痛を伴い,時々鼻出血も合併した.現在,薬剤の投与は受けていないが,Pc,CM,ピリンに過敏性がある.身体所見:身長155cm,体重60kg,栄養状態良.体温37.2℃,血圧120/70,脈拍80/分整,眼瞼結膜は軽度貧血はあるが黄疸はない.鼻腔粘膜に出血,痂皮を伴ったビラン.両下肢には散在性に米粒〜栗粒大の点状出血,紫斑が分布(図1).表在リンパ節は触知せず,胸部では心尖部にLHの収縮期雑音を聴取.肺野は打聴診ともに正常,腹部では肝脾触知せず.腱反射では,膝蓋・アキレス腱反射ともに消失,知覚も低下しparesthesia,dysesthesiaが強い.検査所見(表1):血液学的検査では軽度〜中等度の鉄欠乏性貧血があり,出血傾向を認めたが,血小板異常,凝固異常はない.

基本情報

medicina

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1189

印刷版ISSN 0025-7699

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