icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina27巻4号

1990年04月発行

文献概要

今月の主題 白血病—最新の知見と治療 特殊な白血病

慢性好中球性白血病と骨髄増殖性疾患群

著者: 柴田昭1

所属機関: 1新潟大学医学部・第1内科

ページ範囲:P.620 - P.621

文献購入ページに移動
●慢性骨髄増殖症候群(CMPD)
 CMPDは1951年Dameshekの提唱によるもので,彼はこの症候群に属する疾患として表の1)〜4)までのものをこれに含ませた.後に,彼自身によって発作性夜間血色素尿症(PNH)も本症候群の候補者として挙げられたが,これは今日否定的である.その後,造血幹細胞の定量法が確立されてから,慢性骨髄単球性白血病(CMMoL)を本症候群の一員として含めようという動きがある.
 近代的な意味での造血幹細胞の概念が出る以前に,このような症候群を提唱したことは,今日からみればまことに卓見であったというべきであろう.Dame-shekがこのような概念に到達するに至った動機は,長年にわたる多数の症例の綿密な検討の結果,次の2点に注目したためである.すなわち,①骨髄はいろいろな刺激に対して,ある1つの細胞系統で反応することはむしろ珍しく,全体(en masse)として反応する性質をもっていること,②表に掲げたような疾患は経過中に相互に移行し得ること,の2点である.その後になって彼は急性骨髄増殖症候群,リンパ増殖症候群という2つの症候群を追加したが,これはあまり一般的にはならなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?