文献詳細
文献概要
今月の主題 白血病—最新の知見と治療 新しい治療法
白血病のbiotherapy
著者: 江崎幸治1
所属機関: 1藤田学園保健衛生大学医学部・内科
ページ範囲:P.642 - P.643
文献購入ページに移動 1969年MathéがBCGまたは放射線照射白血病細胞の投与により,小児ALLの寛解期間の著明な延長を報告して以来,1970年代前半には主としてBCG,C. parvum,白血病細胞などを用いた数多くの免疫療法の試みが白血病に対して実施された.当初の比較的少数例の検討では有効という成績もみられたが,多数症例での厳密な比較対照試験の結果は,対照と差を認めないという成績がほとんどで,1970年代末までには白血病に対する免疫療法には否定的な評価がなされていた.
1980年代に入り,免疫療法のみではなく,生体のもつ抗腫瘍反応の増強をもたらす薬剤,手技などをBRMと総称し,それを用いた治療,biotherapyが1つの治療概念として認められてきた.これには分子生物学の進歩や細胞融合,遺伝子組み換え技術の導入などによるところが大きく,特異的抗体や,IFN,IL-2,TNF,CSFなど種々のcytokineが純粋の形で大量に産生され,広く臨床に供されるようになったことによる.これらBRMの有する抗腫瘍作用機序は不明の点も多いが,biotherapyが有力な治療法として確立している腫瘍はいくつか知られている.
1980年代に入り,免疫療法のみではなく,生体のもつ抗腫瘍反応の増強をもたらす薬剤,手技などをBRMと総称し,それを用いた治療,biotherapyが1つの治療概念として認められてきた.これには分子生物学の進歩や細胞融合,遺伝子組み換え技術の導入などによるところが大きく,特異的抗体や,IFN,IL-2,TNF,CSFなど種々のcytokineが純粋の形で大量に産生され,広く臨床に供されるようになったことによる.これらBRMの有する抗腫瘍作用機序は不明の点も多いが,biotherapyが有力な治療法として確立している腫瘍はいくつか知られている.
掲載誌情報