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文献詳細

雑誌文献

medicina27巻4号

1990年04月発行

文献概要

カラーグラフ Oncology Round・8

不顕性癌(occult carcinoma)の1例

著者: 片山勲1 丸山正董2 畑中浩成1

所属機関: 1埼玉医科大学・病理 2丸山記念総合病院・外科

ページ範囲:P.683 - P.687

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 不顕性癌(occult carcinoma,潜在活動性癌とも訳される)は,転移が出現していながら原発巣を明らかにしえない悪性腫瘍のことで,原発巣不明転移癌(metastatic carcinoma of unknown primary)と呼ばれることも多い.原因不明熱(feverof unknown origin;FUO)が内科診療上の重要な課題であるのと同様に,不顕性癌はoncology診療上の重要な課題のひとつとされている.
 FUOは,38.4℃以上の発熱が3週間以上経過し,1週間以上諸検査を続けるにもかかわらず原因不明の場合を呼ぶというように明確に定義されているが,不顕性癌の定義には諸家の間でかなりの差異が認められる.一般には,リンパ節・骨・肝・皮膚・脳などの生検により癌転移の病理診断が下された患者において,問診,身体検査,胸部X-P,血液検査,尿検査,糞便凝血検査を行ったにもかかわらず原発巣が不明の場合とされている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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