icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina27巻5号

1990年05月発行

文献概要

今月の主題 呼吸不全の臨床 呼吸不全の概念と病態生理

睡眠時呼吸障害

著者: 金澤修1 高崎雄司1 山林一1

所属機関: 1東海大学医学部・第2内科

ページ範囲:P.740 - P.741

文献購入ページに移動
 ●睡眠時呼吸障害の概念について 睡眠時呼吸障害とは,睡眠中に認められるさまざまな異常呼吸により低酸素血症を引き起こすすべての病態を包括する概念である.具体的な異常呼吸として代表的なものに無呼吸があり,その他,低換気,不規則呼吸,周期性呼吸などの異常呼吸において睡眠時の動脈血酸素飽和度の低下(sleepdesaturation)が生じ,生体へ種々の悪影響を及ぼすことが問題となる.sleep desaturationの基準としては,覚醒時に比べ4%以上の睡眠時の動脈血酸素飽和度低下を異常とするWynneら1)の提案が一般に採用されている.
 慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者でも動脈血酸素飽和度が覚醒時に比し睡眠時に低下することが知られ,また周期的な低下も観察されることから,その原因として,換気血流比の不均等分布だけでなく,無呼吸,低換気,周期性呼吸などの睡眠時呼吸障害が起因するものと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?