medicina27巻5号

1990年05月発行

今月の主題 呼吸不全の臨床

慢性呼吸不全の臨床

血液ガスの特徴

著者： 岸不盡彌¹ 川上義和¹

所属機関： ¹北海道大学医学部・第1内科

ページ範囲：P.764 - P.765

文献概要

　●呼吸不全の定義
　呼吸不全は動脈血ガス値の異常によって定義される．わが国では厚生省特定疾患「呼吸不全」調査研究班（1980）の提唱^1）により，室内気吸入時のPaO₂≦60 Torrを呼吸不全と診断するという定義が現在広く用いられている．また，呼吸不全を2型に分け，PaCO₂が45 Torrを超えるもの（II型）とそうでないもの（I型）に分類し，慢性呼吸不全は呼吸不全の状態が少なくとも1カ月間持続するものとしている．