文献詳細
文献概要
今月の主題 呼吸不全の臨床 呼吸不全のリハビリテーション
呼吸筋トレーニング
著者: 栗原直嗣1 松下晴彦1
所属機関: 1大阪市立大学医学部・第1内科
ページ範囲:P.838 - P.839
文献購入ページに移動 ●慢性呼吸不全患者における呼吸筋トレーニングの意義
大部分の慢性呼吸不全患者は肺に病変があり,それが換気障害やガス交換障害をもたらす原因となっている.一方,これら患者においては,換気のgeneratorである呼吸筋,とくに吸気筋の筋力が低下し,疲労に陥りやすいことが,病態生理学上,重要な意味を持つことが分かってきた1).
COPD患者では,吸気筋力の指標である最大吸気口腔内圧(MIP)は健常人に比して60%程度に低下している.それは,これら患者では肺の過膨脹があるため,横隔膜を主とする吸気筋が収縮した状態にあり,筋の長さ一張力関係から不利に働くためとされるが,これに加えて,栄養不足,低酸素血症などにより筋肉の組織量が減少していることも見逃すことができない.
大部分の慢性呼吸不全患者は肺に病変があり,それが換気障害やガス交換障害をもたらす原因となっている.一方,これら患者においては,換気のgeneratorである呼吸筋,とくに吸気筋の筋力が低下し,疲労に陥りやすいことが,病態生理学上,重要な意味を持つことが分かってきた1).
COPD患者では,吸気筋力の指標である最大吸気口腔内圧(MIP)は健常人に比して60%程度に低下している.それは,これら患者では肺の過膨脹があるため,横隔膜を主とする吸気筋が収縮した状態にあり,筋の長さ一張力関係から不利に働くためとされるが,これに加えて,栄養不足,低酸素血症などにより筋肉の組織量が減少していることも見逃すことができない.
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