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文献詳細

雑誌文献

medicina27巻5号

1990年05月発行

文献概要

カラーグラフ 冠動脈造影所見と組織像の対比・15

心筋梗塞後の冠動脈血栓の変化

著者: 堀江俊伸1

所属機関: 1東京女子医科大学・循環器内科

ページ範囲:P.864 - P.866

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 ●心筋梗塞発症5力月後に冠動脈造影を施行した例
 症例 54歳,男
 現病歴 46歳の時に下壁梗塞発症.51歳の頃,出張中に胸痛発作があり,前壁中隔梗塞の診断により近くの病院へ入院.退院後,冠動脈造影を目的として梗塞5カ月後に当院へ入院した.冠動脈造影では前下行枝(Seg 7)は完全閉塞を示したが(図1A),前下行枝の末梢部は回旋枝から逆行性に造影された.退院後,比較的経過良好であったが,3年後に3回目の梗塞発作により死亡した.
 冠動脈造影上,完全閉塞を示した部位は血栓形成によると考えられたが,剖検による検討ではすでに梗塞発症3年を経過しているために,血栓は器質化され,小さな新生血管が多数認められた.以上のことから,冠動脈病変は梗塞後の経過とともに変化していることが分かる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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