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文献詳細

雑誌文献

medicina27巻6号

1990年06月発行

文献概要

今月の主題 わかりやすい心電図の臨床 心電図の読み方

QRS波

著者: 高垣健二1 大江透1

所属機関: 1国立循環器病センター・内科心臓部門

ページ範囲:P.912 - P.913

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●QRS波の正常像
 心室の脱分極によって形成される大きく急峻な波をQRS波という.QRS波のうち,初めに見られる陰性の振れをQ(q)波,それに続く陽性の振れをR(r)波,R波のあとの陰性の振れをS(s)波と呼ぶ.正常では,QRS時間は0.12秒未満で通常0.06から0.10秒であり,QRS電位は肢誘導では1.0mV前後,胸部誘導では1.0から2.0mVくらいである.肢誘導のI.II誘導ではqRs・qR型で陽性の振れが主であり,aVR誘導ではrSr'・rS型で陰性の振れが主となる.QRS平均電気軸は+1100から-30°の範囲にあるものを正常とするが,+90°から-10°の間にあるものが多い.胸部誘導では,V1誘導でrSr'・rS型であり,V6誘導でqRs・qR型である.R波とS波の比をとるとV1誘導からV6誘導へ順次増大する.R波とS波の振幅がほぼ同じ大きさのところを,移行帯transitional zoneといい,普通はV3誘導あたりに認められる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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