icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina27巻6号

1990年06月発行

文献概要

今月の主題 わかりやすい心電図の臨床 不整脈の治療

WPW症候群

著者: 伊東祐信1 衛藤由香里1 桑原寛1

所属機関: 1湯布院厚生年金病院

ページ範囲:P.1038 - P.1040

文献購入ページに移動
 WPW症候群はすでに1930年Wolff, Parkinson, Whiteにより“健康な若年者において短いPR間隔を伴った脚ブロックで発作性心頻拍になりやすいもの”として11例について詳細に報告された1).すなわち,心臓の洞結節からの興奮が心房を通って心室へ伝わるさい,正常の房室結節-ヒス・プルキンエ伝導系のみの場合よりも早く心室の一部,または全部を興奮させるもの(心室早期興奮,ventricular pre-excitation)をいうが,典型的には心電図上次の4つの特徴がある.
 1)P-R間隔の短縮
 2)デルタ波の出現
 3)異常QRS波(幅広い0.12秒以上のQRS波)
 4)ST-T部の変化
 このような心電図異常があるだけで頻拍性不整脈を伴わない場合には,単に“WPW心電図”と呼んで,“WPW症候群”と区別することもある2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?