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文献詳細

雑誌文献

medicina27巻7号

1990年07月発行

文献概要

今月の主題 抗生物質の使い方 抗生物質選択心手順

不明熱への取り組み方

著者: 北原光夫1

所属機関: 1東京都済生会中央病院・内科

ページ範囲:P.1112 - P.1113

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●体温上昇のみかた
 体温上昇をみた時点で,それがhyperthermiaなのか,feverなのかを判断しなければならない.hyperthermiaは熱の放出のコントロールが円滑に行われない病態である.したがって,中枢神経系の疾患に最も多くみられる.たとえば,くも膜下出血,脳梗塞のような疾患により血行障害をきたし,コントロール中枢を損傷した場合に体温が高くなる.また,脳腫瘍でも同様な状況がありうる.術後直後にみられる悪性高体温もこの中に入れられる(図).中枢神経系疾患による体温上昇は,発作が起きた時点から数日間みられる.
 feverは熱のコントロール中枢のサーモスタットが高くセットされた状態である.発熱を呈する疾患には,自然軽快していく疾患(self-limited illness),とくにウイルス性感染症があげられる.明らかな感染症,たとえば肺炎や腎孟腎炎,また,薬剤も発熱の原因として考慮しなければならない(表1).さらに不明熱(Fever of Unknown Etio-logy;FUO)とよばれる一群の疾患があげられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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