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今月の主題 抗生物質の使い方 抗生物質投与の注意事項
抗生物質と肝機能
著者: 溝口靖紘1 木岡清英1
所属機関: 1大阪市立大学医学部・第3内科
ページ範囲:P.1206 - P.1208
文献購入ページに移動 薬物による肝障害は,大きく2つに分類される.すなわち,1つは薬物の直接作用あるいは薬物代謝異常に起因する中毒性肝障害で,薬物の投与量に比例して肝障害が起こり,かつ,薬物を投与した個体に高頻度に肝障害が出現するもので,動物実験でも同様の肝障害を再現しうるものである.もう1つは薬物に対する過敏反応に起因する肝障害で,薬物の投与量に依存せず,少量の薬物の投与によっても肝障害が出現するもので,薬物を投与した個体の中でごく少数の薬物に感受性をもつ個体にのみ肝障害が出現するものである.
実際の臨床面では,後者の薬物アレルギーに起因する肝障害のほうがはるかに重要である.なぜなら,後者は薬物投与によって肝障害が出現するか否かの予測ができず,また,新薬発売の増加に伴い多種類の薬物を投与する機会が増加し,薬物過敏反応を起こす率が高くなっているからである.本稿では薬物アレルギーに起因する肝障害を中心に述べる.
実際の臨床面では,後者の薬物アレルギーに起因する肝障害のほうがはるかに重要である.なぜなら,後者は薬物投与によって肝障害が出現するか否かの予測ができず,また,新薬発売の増加に伴い多種類の薬物を投与する機会が増加し,薬物過敏反応を起こす率が高くなっているからである.本稿では薬物アレルギーに起因する肝障害を中心に述べる.
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