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文献詳細

雑誌文献

medicina27巻7号

1990年07月発行

講座 図解病態のしくみ 膠原病・1

膠原病の概念(総論)

著者: 橋本博史1

所属機関: 1順天堂大学医学部・膠原病内科

ページ範囲:P.1244 - P.1253

文献概要

膠原病の歴史と概念
 1942年,アメリカの病理学者Klempererらは,全身の結合組織にフィブリノイド変性という共通した病理組織学的所見を呈する疾患群のあることを見出し,これらを総称して「膠原病」という名前を提唱した.それまでは,Morgagniによる臓器病理学の学説が支配的であり,病気は特定の臓器に存在すると考えられていた.Klempererらは,全身性エリテマトーデス,強皮症,リウマチ熱にみられる多臓器病変は,結合組織系という全身に共通して広く分布する組織系の系統的病変として把握すべきことを主張した.すでに,Klingeは,リウマチ熱や慢性関節リウマチにみられる病理学的所見が結合組織の変化が主体であることを指摘していたが,フィブリノイド変性という共通した所見をもとに,膠原病という名称でいくつかの疾患を包含したのはKlempererが初めてであった.
 結合組織は,以前は膠原または膠原血管系と考えられており,フィブリノイド変性は膠原線維のコロイド状態の高度な物理化学的変化によって生じると考えられていたため,「膠原病」という名前が用いられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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