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文献詳細

雑誌文献

medicina27巻9号

1990年09月発行

今月の主題 ウイルス肝炎 Q & A

慢性肝炎患者の入・退院のタイミングを教えて下さい./慢性ウイルス肝炎と脂肪肝は肝生検をしなくても鑑別できるか.

著者: 金山正明1 山室渡2

所属機関: 1平塚共済病院 2川崎中央病院・内科

ページ範囲:P.1460 - P.1460

文献概要

 慢性肝炎患者が入院が必要な場合は,急性増悪時か,検査や特殊な治療のための入院のいずれかです.黄疸や極度の倦怠感など自覚症状が出現したり,それまで100〜150IU/L以下だったトランスアミナーゼが,急に300IU/L以上に上昇して2〜4週以上高値が続く場合は,入院治療が必要と考えられます.入院治療により自覚症状が消失し,トランスアミナーゼが100IU/L以下に下降し,2週間この程度の数値が続いたら退院とし,1〜2カ月は2週毎に外来で経過を観察します.


しなくても可能と考える。すなわち本号の筆者の稿でも述べたが,脂肪肝では検査成績でコリンエステラーゼ,ヘパプラスチン試験が高値を示し,高脂血症を伴うことが多い.さらに超音波検査にて,bright liver,深部エコーの減衰,肝腎コントラストの所見が得られれば脂肪肝の存在は確実といえる.しかし,慢性肝炎との合併例では肝病態の主体を知ることが困難なことがある.すなわち上記の特徴的な検査成績と画像診断の所見がある症例で,HBs抗原陽性例,HCV抗体陽性例,あるいはそのいずれもが陰性であっても,GOT, GPTの動揺が激しい,ZTT, IgG,γ-グロブリン値が高い場合である.治療法を選択するうえでも,このような症例では肝生検が必要と考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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