文献詳細
今月の主題 ウイルス肝炎 Q & A
慢性肝炎患者の入・退院のタイミングを教えて下さい./慢性ウイルス肝炎と脂肪肝は肝生検をしなくても鑑別できるか.
著者: 金山正明1 山室渡2
所属機関: 1平塚共済病院 2川崎中央病院・内科
ページ範囲:P.1460 - P.1460
文献概要
しなくても可能と考える。すなわち本号の筆者の稿でも述べたが,脂肪肝では検査成績でコリンエステラーゼ,ヘパプラスチン試験が高値を示し,高脂血症を伴うことが多い.さらに超音波検査にて,bright liver,深部エコーの減衰,肝腎コントラストの所見が得られれば脂肪肝の存在は確実といえる.しかし,慢性肝炎との合併例では肝病態の主体を知ることが困難なことがある.すなわち上記の特徴的な検査成績と画像診断の所見がある症例で,HBs抗原陽性例,HCV抗体陽性例,あるいはそのいずれもが陰性であっても,GOT, GPTの動揺が激しい,ZTT, IgG,γ-グロブリン値が高い場合である.治療法を選択するうえでも,このような症例では肝生検が必要と考える.
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