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文献概要
今月の主題 ウイルス肝炎 Q & A
F型肝炎は存在するか.
著者: 矢野右人1
所属機関: 1国立長崎中央病院・臨床研究部
ページ範囲:P.1486 - P.1486
文献購入ページに移動 ウイルス肝炎がA型,B型,C型,D型,E型と分類され,次にくるF型肝炎があるか否かが議論されている.輸血後肝炎の残る10%,散発性肝炎の20%,つまり,散発性非A非B型肝炎の70%にこの問題が問いかけられる.非A非B型肝炎中HCV抗体陽性のC型とその他のもので,臨床的解析を行っても両者に差はみられない.このことより,臨床的形態はウイルス感染症としてもおかしくない.しかし,肝臓の異物に対する反応は,ウイルスもウイルス以外の原因も,同じものである可能性は否定できない.この分野にF型がないとは断定できないものの,もし,F型肝炎が存在しても,全肝疾患の5%にも満たないものであろう.臨床上,対応を迫られる肝炎としては,現時点で把握されるこれらの5型でほぼカバーされる頻度と考える.
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