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文献詳細

雑誌文献

medicina27巻9号

1990年09月発行

文献概要

今月の主題 ウイルス肝炎 Q & A

散発性のC型肝炎とE型肝炎はどのように鑑別しますか.

著者: 三田村圭二1

所属機関: 1東京大学医科学研究所・感染症研究部

ページ範囲:P.1494 - P.1494

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 C型肝炎ウイルス(HCV)は主として血液を介して伝播するが,散発性C型肝炎では感染経路が不明な例が多い.E型肝炎ウイルス(HEV)は糞便を介して経口感染する.C型肝炎は抗HCV抗体の対血清における陽転によって診断されるが,発症時あるいは急性期には必ずしも確定診断ができない.E型肝炎の診断法は近い将来可能になるであろうが,現時点では確定診断はできない.しかし,E型肝炎の発症は地域的に特徴があり,流行地が亜熱帯と熱帯地域であり,その疫学はかなり明らかである.
 発症時には,散発性C型肝炎とE型肝炎のわが国における鑑別診断は難しいであろう.E型肝炎の二次感染の可能性は低いので,問診によるE型肝炎の流行地域への旅行,滞在などの有無の情報が鑑別診断に役立つであろう.なければ,現在ではC型肝炎を想定してよいであろう.経過により抗HCV抗体が陽転すればC型肝炎と診断される.陽転しなければ,非A,B,C,E型肝炎となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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